ニュース速報

ビジネス

鉱工業生産2月は約3年ぶり高水準、主要業種でリーマン前回復へ

2017年03月31日(金)10時55分

 3月31日、経済産業省が発表した2月鉱工業生産指数速報は前月比2.0%上昇となった。2カ月ぶりに上昇した。ロイターの事前予測調査では前月比1.2%上昇と予想されていたが、発表数値は予想を上回った。写真は都内の建設現場、23日撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日発表した2月鉱工業生産指数速報は前月比2.0%上昇となった。ロイターの事前予測調査では前月比1.2%上昇と予想されていたが、発表数値は予想を上回り、およそ3年ぶりの高水準となった。1─3月期は4四半期連続の増産となる公算が大きい。乗用車やはん用・生産用機械などが大きくけん引。加えて化学製品、電子部品・デバイスなどリーマン・ショック前の水準を回復している主要業種もあり、生産は本格的な回復局面を迎えている。

出荷は前月比0.1%低下と微減、在庫は同0.9%上昇したが、経済産業省では「在庫積み増し局面」に入ったとみている。これまでの生産調整により在庫水準が低下、需要の伸びを見込んで企業が意図的に在庫を増やしているもようだ。

2月の生産指数は102.2で2014年1月以来の高水準となった。けん引したのは輸送機械。普通乗用車やエンジンなど乗用車類が好調。生産水準自体はリーマン・ショック前には及ばないが、14年の消費増税前に並ぶ高水準。生産計画も3月は弱めながら、4月は2桁増となっている。

次いではん用・生産用・業務用機械工業の寄与も大きかった。建設機械やロボットなど満遍なく好調で、08年夏場ごろの水準を取り戻している。

化学工業も化粧品などを中心に歴史的高水準に上昇している。

電子部品・デバイス工業は5カ月ぶりに低下したが、こちらも高水準を持続しており、リーマン・ショック前の水準と比べてもそん色がない。前年比では2桁増の水準となっている。

生産予測指数は3月が前月比2.0%低下、4月が同8.3%の大幅上昇となった。経済産業省によると、例年以上に4月が強くなっているもよう。予測指数通りであれば、1─3月は前期比1.3%上昇し、4四半期連続の増産となる見通し。もっとも、経済産業省の試算では3月の実績値は0.3%程度のマイナスと小幅な減少となる見通し。

経産省は生産の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」として据え置いたが、1月と2月の生産指数の平均は昨年第4・四半期を大きく上回っており、このペースであれば、今年第1・四半期の生産も前期比プラスとなる可能性が高いとみている。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中