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12月利上げが基本シナリオ=米セントルイス連銀総裁

2016年09月30日(金)14時29分

 9月29日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁(写真)は、12月の利上げが基本シナリオだとした上で、それ以降は長期間にわたって金融政策が変更されなくなるとの見通しを示した。シンガポールで5月撮影(2016年 ロイター/Edgar Su)

[セントルイス 29日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は29日、ロイターのインタビューに答え、12月の利上げが基本シナリオだとした上で、それ以降は長期間にわたって金融政策が変更されなくなるとの見通しを示した。

総裁は、「多くのメンバーは年末までに政策金利を上げたがっている。つまり、現時点ではそれ(12月の利上げ)が基本シナリオだ」と発言。11月の連邦公開市場委員会(FOMC)については、イエレン連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が予定されていないため、実際問題として政策変更はないだろうと説明した。

総裁は以前「タカ派」と見なされていたが、現在は経済が長期的な停滞局面に入ったと見る陣営に属している。このため利上げはあと一回で打ち切り、生産性や成長率、物価に根本的な変化が生じるまで静観すべきとの見方だ。

総裁は今後の金融政策について「1年に1回しか利上げしないとなれば、それは金利の正常化ではない。知覚できないほどゆっくりとした動きになる」と予想。政策変更を強いられるのは、生産性の急上昇や景気後退など、予想外の出来事が起こった場合だと説明した。

ブラード総裁はまた、金融政策の正常化までの期間が長引く結果、量的緩和によって4兆ドル超に膨らんでいるFRBのバランスシートを減らす時期も遠のくと指摘。現在の水準をずっと維持すべきだとの議論も浮上していると説明した。

ただ、そうした措置はFRBの規模と影響力を懸念する議員の間で議論を呼ぶ可能性がある。総裁は「FRBはしばらく大規模なバランスシートを維持するだろう。それがそんなに悪いことなのかどうかについては、大いに疑問がある」と述べた。

ロイター
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