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ドルが対スイスフランで1カ月ぶり安値、安全通貨に買い=NY市場

2016年09月30日(金)06時43分

 9月29日、終盤のニューヨーク外為市場では、ドイツ銀行の経営不安を背景に安全通貨を買う動きが強まり、ドルが対スイスフラン(写真)で1カ月強ぶりの安値をつけた。2月撮影(2016年 ロイター/Ruben Sprich/Illustration)

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドイツ銀行の経営不安を背景に安全通貨を買う動きが強まり、ドルが対スイスフランで1カ月強ぶりの安値をつけ、対円でも上げ幅を縮小した。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げに踏み切るとの観測が強まったため、ドルは全般に底堅く推移した。

ドイツ銀行は住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売をめぐり米司法省から140億ドルの和解金の支払いを求められている。ブルームバーグは29日、10社程度のヘッジファンドがデリバティブ(金融派生商品)取引の持ち高の一部を同行から引き揚げたと報じた。

ドイツ銀行の経営不安は安全通貨とされるスイスフランや円にとって追い風で、ドル/スイスフランは0.9641フランと8月26日以来の安値をつけた。ドル/円は101.84円と8日ぶりの高値をつけた後に伸び悩み、終盤は0.41%高の101.06円。

クレディ・アグリコルの外為ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「ドル/円は欧州の銀行セクターをめぐる警戒感が前面に出たことで上昇幅が小さくなった」と指摘した。

石油輸出国機構(OPEC)が28日に減産で合意したことや、この日発表された第2・四半期の米国内総生産(GDP)確報値が改定値から上方改定されたことで、FRBが12月に利上げするとの観測が強まった。

CMEグループのフェドウォッチが見込む12月利上げの確率は56.4%で、前日の53.1%から上昇した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は終盤、0.09%高の95.518。

終盤のユーロ/ドルは1.1216ドルと横ばい圏。ドイツ銀行の経営問題が欧州の銀行全体に広がったり、ユーロ圏の金融システム全体を危機に陥れたりするとの懸念は限定的だった。

TDセキュリティーズのマクロストラテジストのブリタニー・バウマン氏はドイツ銀行の問題について「銀行セクターに広く波及するようなことはないと見込んでいる」と述べた。

ノルウェークローネやカナダドルといった資源国通貨は、OPECの減産合意の実効性は疑わしいとの見方から対ドルで下落した。

ドル/円 NY終値 101.01/101.04

始値 101.44

高値 101.84

安値 100.84

ユーロ/ドル NY終値 1.1221/1.1225

始値 1.1218

高値 1.1249

安値 1.1197

*内容を追加して再送します。

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