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英中銀総裁が追加緩和示唆、EU離脱決定で景気見通し悪化

2016年07月01日(金)03時40分

 6月30日、英中銀のカーニー総裁は、EU離脱決定を受け夏にかけて追加刺激策を打ち出す必要があるとの認識を示した。写真は同日、ロンドンで代表撮影(2016年 ロイター)

[ロンドン 30日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁は、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けて景気見通しが悪化しているとし、おそらく夏にかけて追加刺激策を打ち出す必要があるとの認識を示した。国民投票後、2度目となるスピーチで明らかにした。

総裁は「経済見通しは悪化しており、夏にかけて金融政策緩和が必要になる公算が大きい」とした。

金融政策委員会は7月14日の会合後に状況の暫定評価を発表するとし、最新の経済見通しを公表する8月4日に包括的な評価を明らかにする方針を示した。

その上で「8月には、利用可能な政策手段について一段の協議を行なう」とした。

来月の会合までには、離脱決定を受けた経済動向を見極めるのに十分なハードデータは集まらないとしている。

市場では、英中銀が夏に政策金利を過去最低の0.5%から最大ゼロまで引き下げるとの見方も出ているが、カーニー総裁は金利の下げ余地は限られているとして慎重な姿勢を示した。

「海外で見られるように金利を過度に低い水準、またはマイナスに引き下げれば、銀行の収益悪化を通じかえって信用供給を抑え、信用コストの増大を招く恐れがある」とした。

総裁はまた、現在毎月行っているポンドの流動性供給入札を9月末まで毎週実施することも明らかにした。その上で、EU離脱決定を受けた衝撃から英経済および銀行セクターを守る「一連の他の手段、政策を中銀は有している」と述べた。

ただ、離脱決定によるショックを中銀だけで払しょくすることは不可能とも指摘。英成長見通しは「他とともに策定するより大きな計画に左右される」とし、移民政策も含め、今後のEUとの関係について早期に明確にすることが重要とした。

また国民投票後の金融市場の混乱を想定して中銀と財務省が策定した緊急対応策が「上手く機能している」との認識を示した。

カーニー総裁は会見で、中銀のスタンスに批判的だったEU離脱派が次期政権を担った場合、自身を含め中銀関係者が辞職するのは誤りとの立場を示した。

総裁は国民投票前、EUを離脱すれば経済に悪影響をもたらすと警告し、離脱派から批判を浴びていた。

総裁は離脱派の新政権が誕生すれば、自身の総裁職が危うくなるのではと問われ、「その全く逆だ」と言明。「私、そして私の同僚が、法で定められた責務に背を向けるのは無責任」とした。

中銀はEU離脱決定による経済への悪影響を警告することで責務を果たしているとし、中銀が正しいことを離脱決定直後の金融市場や経済の反応が証明していると話した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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