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必要な利上げ回数、今後2年半で1回か=米セントルイス連銀総裁

2016年06月18日(土)04時09分

 6月17日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁(写真)は、米経済が低成長パターンにはまっている状態が当面続く公算が大きいことから、今後2年半の間に1回の追加利上げで十分かもしれないとの見解を示した。5月撮影(2016年 ロイター/Edgar Su)

[ワシントン 17日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は17日、今後2年半で必要な利上げ回数は1回にとどまる可能性があるとの見方を示した。

経済成長や政策金利目標などの長期見通しに関しては、予想と実際の行動が一致しておらず、米連邦準備理事会(FRB)の信頼低下につながっているとし、公表を止めるべきと主張した。

フェデラル・ファンド(FF)金利の適正水準は0.63%程度とし、予見可能な将来において金利は同水準にとどまる公算が大きいとした。

FRBメンバーによる、いわゆるドット・プロット(=今後の政策金利の推移を点で示したグラフ)は「見方が急すぎて金利先物市場は信用しておらず、市場はもっと緩やかなペースでの利上げを織り込んでいる」と述べた。

さらに「FRBの実際の利上げペースは、連邦公開市場委員会(FOMC)が過去に示した予想よりも大幅に緩慢となっている。こうした言行不一致が明らかに世界的な金融市場の歪みにつながっており、FRBの将来的な政策をめぐる不必要な混乱を招き、(FOMCに対する)信頼が損なわれる結果になっている」と指摘した。

予測可能な将来において金利水準は基本的に横ばいだとし、国内総生産(GDP)伸び率は約2%、失業率は4.7%近辺にとどまり、インフレ率はFRBが目標とする2%に向かい、その後その水準で抑制される可能性が高いと指摘した。

総裁はこれまで早期利上げを提唱していた。ただ、米国や他の主要国は低金利局面から抜け出せずにいる可能性があるなどとし、米経済の状況の見直しを進めている。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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