ニュース速報

ビジネス

モルガン・スタンレー42%減益、株価急落46億ドル消失

2015年10月20日(火)03時49分

 10月19日、米モルガン・スタンレーが発表した第3・四半期決算は、約42%の減益だった。1月撮影(2015年 ロイター/Mike Segar)

[19日 ロイター] - 米モルガン・スタンレー(Mスタンレー)が発表した第3・四半期決算は約42%の減益となり、市場予想を下回った。

米利上げ時期をめぐる不透明感や中国の成長鈍化に対する懸念から、投資家が債券や為替、商品市場を敬遠する動きが強まる中、2四半期連続での減益となった。

決算を嫌気し、Mスタンレーの株価は一時6.9%下落。2012年11月以来の大幅下げ率を記録し、時価約46億ドルを消失した。

Mスタンレーの普通株主帰属の利益は、前年同期比42.4%減の9億3900万ドル(1株当たり0.48ドル)。

調整後の1株利益は0.42ドルと、トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想平均の0.62ドルを下回った。

連結ベースでの純収入は12.8%減の77億7000万ドル。会計上の調整を除くベースでは73億3000万ドルと、市場予想の85億4000万ドルを下回った。

フィクストインカム・コモディティ(FIC)トレーディング部門の調整後の収入は42%急減の5億8300万ドルとなった。

米銀行大手6社の決算はこれで出そろった格好だが、軒並みトレーディング収入の不振が目立ち、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)を除きすべてが減収となった。半面、明るい兆候も示され、シティグループは費用削減が奏功し、51%の増益となった。

Mスタンレーが注力する富裕層向けのウェルス・マネジメント部門の収入も3.5%減の36億4000万ドル。

ただ、同部門が全体の収入に占める比率は46.9%と、前年同期の42.4%から拡大。さらに、税引き前利益率は23%と、21%から上昇した。ゴーマン最高経営責任者(CEO)は年末までに22─25%に引き上げることを目指してきている。

投資管理部門の収入は約59%減少した。アジアのプライベート・エクイティ(PE)の損失を反映した。

投資銀行部門の収入も15.3%減の13億1000万ドル。

株式引き受け業務の収入も46%減の2億5000万ドル。市場の乱高下を受け、企業が新規株式公開(IPO)を控える動きとなったことが影響した。

従業員給与に支払われた費用は18.4%減少し、2010年第2・四半期以来の低水準となった。

ゴーマンCEOは声明で「第3・四半期は、世界の市場におけるボラティリティにより困難な環境が生まれ、特に債券業務やアジアの商業銀行業務に悪影響を与えた」と述べた。

ジョナサン・プルザーン最高財務責任者(CFO)はアナリストとの電話会合で「米連邦準備理事会(FRB)や中国、商品市況、世界の経済成長といった短期的な不透明性はいまだ消失してない」とし、第4・四半期の動向はこれまでのところ強弱まちまちとなっているとの見方を示した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタン、国防相が核管理会議の招集否定 インドに

ワールド

韓国与党、大統領選候補指名やり直し 韓前首相に一本

ビジネス

中国4月CPI3カ月連続下落、PPI下落加速 貿易

ビジネス

米政権、航空機・部品輸入を調査 追加関税の可能性
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 3
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 6
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 7
    指に痛みが...皮膚を破って「異物」が出てきた様子を…
  • 8
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 9
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 10
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 9
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中