ニュース速報

ビジネス

スズキ、インド好調で4―6月営業益は最高 6年ぶり最終減益

2015年08月03日(月)19時20分

 8月3日、スズキが発表した2015年4―6月期の連結営業利益は同期として過去最高を更新した。インドでの四輪販売増加が寄与した。写真は、スズキのロゴ、2012年11月撮影(2015年 ロイター/Mike Blake)

[東京 3日 ロイター] - スズキ<7269.T>が3日発表した2015年4―6月期の連結営業利益は同期として3年連続で過去最高を更新した。インドでの四輪販売増加が寄与した。ただ、インドの好調で現地子会社の業績拡大に伴う少数株主への利益分の控除がかさみ、最終利益は6年ぶりに減少した。

16年3月期の連結業績見通しは期初予想を据え置いた。

4―6月期の連結営業利益は前年同期比8.3%増の551億円。トムソン・ロイターの調査によると、アナリスト8人の予測平均値は510億円で、実績はこれを上回った。四輪販売拡大などで130億円、為替が対インドルピー、対米ドルで円安に振れたことなどで68億円、それぞれ押し上げた。

売上高は同8.8%増の7728億円、純利益は15.5%減の317億円で、09年4―6月期以来の減益となった。同社が約56%出資するインド子会社マルチ・スズキの業績好調により、約44%を占めるスズキ以外の少数株主への利益流出分が増えたことが最終利益を押し下げた。

会見した長尾正彦取締役は、4―6月期実績は「マルチの増収増益によるところが大半で、逆に言うと、これを除くと厳しい」と振り返った。「インドへの依存度が高い」のが課題で、もう1つの収益の柱としてインドネシア、タイなどで土台作りを進めていくと強調した。

四輪の世界販売実績は同0.5%減の68万8000台。インドは同13%増の30万6000台だった。今通期のインドの販売計画は前期比10%増だが、長尾氏は「マクロ動向をしっかりみるのが大前提」としながらも、「今のところはポジティブな見通しをしておいて良いのでは」と語った。

日本は同17.2%減の15万2000台。うち、軽自動車は16.5%減の13万8000台だった。長尾氏は「足元の受注が伸びているという手ごたえはない」と述べ、今年4月には軽自動車税の増税などもあり、「需要を先食いしてしまったのではないか」と指摘。今後の市場動向は「まだ見通せない」と述べた。

二輪事業は営業赤字だった。景気が減速しているインドネシアなどで販売が減り、4―6月の世界販売は13.3%減の40万8000台となり、通期販売計画を175万6000台(従来は196万2000台)に引き下げた。

一方、フォルクスワーゲンとの係争については「仲裁判断待ちの状況に変わりない」(長尾氏)という。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中