ニュース速報

ビジネス

ドル119円前半、FRB議長講演後も方向性出ず

2015年03月30日(月)13時05分

 3月30日、正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル高/円安の119円前半。ブダペストで2011年11月撮影(2015年 ロイター/Laszlo Balogh)

[東京 30日 ロイター] - 正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル高/円安の119円前半。市場が注目していた先週末の米連邦準備理事会(FRB)議長の講演は手掛かりにならず、朝方から方向性が出なかった。仲値まで実需筋のフローが下値を支えていたが、通過後は買いが続かず、下押しされる場面もあった。

ドル/円は午前9時前に119.33円まで上昇した後、やや上値が重くなった。パプアニューギニア沖で地震が発生したと伝わり、クロス円が下落。ドル/円の重しとなった。小高く始まった日経平均株価がマイナス圏に沈んだことも重なり、ドルはいったん119.21円まで弱含んだが、仲値にかけては輸入企業のドル買い/円売りが下値を支えた。

仲値通過後は一時119.12円まで下落したものの、下げは続かなかった。日経平均がプラス圏を回復する中、正午にかけて持ち直した。「あまり材料がないので、東京時間は119円前半で小動きとなるのではないか」(邦銀)との声が出ていた。

経済産業省が朝方発表した2月鉱工業生産指数速報は前月比3.4%低下となり、ロイターがまとめた市場予想(前月比1.8%低下)に比べて下振れしたが、相場の反応は限定的だった。

<FRB議長の講演、手掛かりにならず>

先週末はイエレンFRB議長の講演で米国の利上げ時期についてヒントが示されるか注目されていたが、「目新しいことは言っておらず、手掛かりにならなかった」(外為アナリスト)という。「おおむね6月か9月以降かで見方が分かれているが、6月を支持しているメンバーの顔を立てたいところもあるので、6月がだめでも9月には利上げしようという意向なのではないか」(同)との見方が出ていた。

イエレン議長は27日、FRBとして金融緩和の解除開始を真剣に検討しており、年内の利上げが正当化され得ると表明、インフレや賃金動向が健全なペースに復帰せずとも年内に利上げを開始する意向を示唆した。同時に、コアインフレや賃金の伸びが下振れれば、据え置きを迫られる可能性もあるとしたほか、利上げ後も金利の正常化は段階的な道のりにとどまると強調した。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)が先週末に発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(3月24日までの週)によると、円の売り越しは4万5905枚で、前週の4万8054枚から減少し、2012年11月以来の低水準となった。

市場では「月末が近いのでポジションを整理しておこうという向きがいるのではないか。新年度に入れば機関投資家の運用計画などを意識して円売りフローが増える可能性もあるので注目したい。その辺が出てくれば、120円、121円台に定着できるようなエネルギーになるかもしれない」(国内金融機関)との声が出ていた。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   119.26/28 1.0871/75 129.66/70

午前9時現在 119.24/26 1.0881/85 129.75/79

NY午後5時 119.12/18 1.0890/95 129.72/76

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

円が対ドルで5円上昇、介入観測 神田財務官「ノーコ

ビジネス

神田財務官、為替介入観測に「いまはノーコメント」

ワールド

北朝鮮が米国批判、ウクライナへの長距離ミサイル供与

ワールド

北朝鮮、宇宙偵察能力強化任務「予定通り遂行」と表明
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中