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ドルが一時120円に接近、株高背景に2週間超ぶり高値

2015年03月02日(月)12時16分

 3月2日、正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の119円後半だった。朝方120円乗せに失敗した後は、株価にらみの展開となった。写真は、1万円札とドル紙幣、2009年撮影(2015年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 2日 ロイター] - 正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の119円後半だった。朝方120円乗せに失敗した後は、株価にらみの展開となった。

実需筋の目立ったフローは出ていないという。

ドル/円は、7時半頃に119.65円まで下げてこの日の安値をつけた後、9時半にかけて強含む展開となった。「イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言で叩き落とされてから下を固めたように見えるので、朝方は上がどこまでいけるのか見てみたいという向きがいた」(邦銀)という。一時119.95円まで上昇し、2月12日以来、2週間超ぶりの高値をつけた。

120円乗せに失敗した後、ドル/円は株価にらみの展開となった。株価が上げ幅を縮小させてマイナス圏に沈んだ場面では上値が重くなり、その後、株価が持ち直すとドル/円も下げ渋った。株価が再び強含む展開となれば「120円にもう一度チャレンジというのもあり得る」(同)とみられている。

この日は実需筋の目立ったフローは出ていないという。「輸出企業は119円台でさばいた後の人と、120円台を待っている人なので、119円後半であわてて出る必要はない。一方、輸入企業はもっと下のレベルを待っている」(国内金融機関)との声が出ていた。

今週は週末の米雇用統計を筆頭に重要イベントが目白押しとなっており、朝方の市場からは「週前半は動きにくい」(国内金融機関)との声が出ていた。きょう海外で発表される経済指標では、ユーロ圏の2月消費者物価、米国の2月ISM製造業景況指数、1月個人所得・個人支出などが注目される。

<IMM通貨先物の円売り越しが6週連続縮小>

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(2月24日までの週)によると、円の売り越しが4万7512枚と、6週連続で縮小した。前週は4万9091枚だった。

市場では「日銀は追加緩和をすぐにやりそうにないし、ボラティリティも低いのでポジションを調整する動きが出ているのではないか。117─120円でうろうろしているドル/円より、ほかの通貨ペアの方がパフォーマンスがいい」(外為アナリスト)との声が出ていた。

主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する投機筋のドル買い越し額は3週連続で減少し、ここ2カ月余りで最低となった。買い越し額は408億1000万ドルで、前週の420億4000万ドルを下回った。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

正午現在   119.85/87 1.1169/73 133.87/91

午前9時現在 119.82/84 1.1159/63 133.72/76

NY午後5時 119.51/57 1.1193/98 133.90/94

(為替マーケットチーム)

ロイター
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