ニュース速報

カナダ経済は「遠回り」継続、年後半に回復へ=中銀副総裁

2019年03月08日(金)05時51分

[オタワ 7日 ロイター] - カナダ銀行(中銀)のリン・パターソン副総裁は7日、個人消費や設備投資がさえず、カナダ経済は当初想定より長い「遠回り」が続きそうだが、2019年下期には経済成長率が回復すると述べた。

前日にはカナダ銀行が政策金利の据え置きを決定。国内外の経済が減速する中、追加利上げの時期を巡り「不透明性が増大」したとの認識を示していた。

副総裁は、中銀の金利据え置き決定は、世界経済の鈍化や貿易摩擦の継続、18年第4・四半期のカナダ経済の弱さの影響を受けたと説明。「カナダ経済が昨年末に遠回りしていたと判断したが、その遠回りは想定より長くなる可能性がある」と語った。

さらに、カナダ経済が19年上期に想定よりも弱含むとの中銀の見解を繰り返した上で、雇用の強さや賃金上昇により、経済成長率は年後半に回復するとの見方を示した。

CIBCキャピタル・マーケッツの上級エコノミスト、ロイス・メンデス氏は「ここ数日の新たな見解は、1月のカナダ中銀の見通しに対して、特に目先についての楽観的な見方が明らかに後退した」と指摘。市場が足元で今年の利下げ確率を織り込み始めている一方、中銀は「最終的には利上げするという計画をまだ完全に諦めていない」とした。

副総裁の発言を受け、カナダドルは対ドルで1.3432カナダドルと小幅高を維持した。

副総裁は4月の新たな経済見通し発表を前に、中銀スタッフが中立金利レンジを見直しているとし、同レンジの変更が必要かどうかを判断するとした。

また2018年は家計消費が予想よりもやや低下したと言及。カナダ国民が債務の持ち越し費用の上昇に適応し、信頼感低下に取り組んだと分析した。

一方で、データは家計の大半が債務水準に対応していることを示しているとし、昨年導入された厳しい住宅ローン規制は新規借入の質を向上させるという効果をもたらしたと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国4月輸出、予想上回る8.1%増 ASEAN向け

ワールド

ゲイツ氏、45年までにほぼ全資産2000億ドル寄付

ビジネス

三菱重の今期、ガスタービンや防衛好調で最高益に 受

ワールド

ガザ南部ラファ近郊で「激戦」とハマス、イスラエル兵
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 10
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中