コラム

ゼレンスキーの「名演説」は歴史に残る...実際に戦局を有利にした「言葉の力」

2022年03月29日(火)17時53分

さらに重要なのはゼレンスキーの演説が、ウクライナ戦争の物語に対する世界の認識を決定付けたことだ。固い決意と共に率直に語る「普通の人」のイメージは、プーチンがつくり上げた「男らしさ」の神話が下品な凶暴性にすぎないことを暴露した。

同時にゼレンスキーは具体的な支援も要求している。軍用機、ミサイル、銃......。

「私に必要なのは(脱出用の)乗り物じゃない。弾薬だ」。国外脱出を打診した米政府当局者に言い放った言葉は、今後何世代も語り継がれるはずだ。

窮地にあるゼレンスキーの言葉は聞く者を震えさせ、恥の意識を芽生えさせ、奮い立たせる。それは実に効果的だった。

アメリカは約140億ドルの援助を決めた。EUは史上初めて、域外の国への軍事支援に踏み込んだ。歴史的に中立を守ってきたスイスとスウェーデンまでもが軍事、物資、外交の援助を約束した。

ゼレンスキーの演説は国家存立を懸けて戦う自国を大いに助けた。過去100年間で最も心を揺さぶる演説の1つだ。

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グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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