コラム

小沢一郎、世界最大630人の官費旅行?

2009年12月10日(木)14時55分

 日本の民主党にとって、旅は軽装ではすまないようだ。12月9日の毎日新聞は以下のように伝えている


 民主党の小沢一郎幹事長は10日から4日間の日程で中国と韓国を訪問するが、寂しい思いをすることはないだろう。中国訪問は党所属国会議員143人と支持者ら計約630人という大所帯で、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席との会談も予定。個人で11日に訪れる韓国でも、李明博(イ・ミョンバク)大統領との夕食会が予定され、政権交代を内外に印象づける外遊となる......大規模な訪中団を結成することで、小沢氏の政治力をアピールする狙いもありそうだ。


■メガ視察団はアジア重視の表れか

 143人と言えば、民主党の国会議員のざっと3分の1。外国旅行のために米議会から100人の民主党議員が一斉にいなくなることを想像してほしい。小沢は、今回の訪中で中国共産党と民主党間の定期的交流組織「日中交流協議機構」についても意見交換をしたい考えだという。

 民主党は中国とアジア重視の外交政策を公約に掲げて政権を取った。小沢の巨大視察団は、そのゴールに向けて極めて大きなメッセージを発しているようだ。


<追記>
小沢訪中団に関し一部報道が、参加費は自費と伝えた。14日に小沢事務所に確認すると、小沢以下の国会議員も含め全員が自費と話した。


──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2009年12月09日(水)13時34分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 10/12/2009. ©2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

プロフィール

ForeignPolicy.com

国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

9月のEU新車販売、前年比6.1%減 ハイブリッド

ビジネス

米ルーシッド、株式公募で2026年までの運営資金を

ワールド

EU、重要鉱物の共同購入プラットフォーム開発業者選

ビジネス

ドル151円台へ上昇、3カ月ぶり高値 米金利も上抜
MAGAZINE
特集:米大統領選 イスラエルリスク
特集:米大統領選 イスラエルリスク
2024年10月29日号(10/22発売)

イスラエル支持でカマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が大統領選の勝負を分ける

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「ATACMS」攻撃、無防備な兵士たちを一斉爆撃
  • 3
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    「常軌を逸している」 トランプ、選挙集会で見せた「…
  • 6
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 7
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 8
    「なぜその格好...」ルーブル美術館を貸し切った米モ…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    グロズヌイ「巨大爆発」の瞬間映像...「戦時」の不安…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料を1ウォンも払わず 「連絡先分からず」と苦しい言い訳
  • 4
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 5
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 6
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 9
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 10
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 5
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 8
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 9
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story