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会議音声「漏洩」で確定──TikTokによる「個人情報」収集と「思想」操作の実態

5./15 WEST-iStock
<子供や若者を中心に大人気の中国系「動画投稿アプリ」TikTokは本当に危険?ユーザーに知らせずに行っているヤバい中身が明らかに>
中国系の動画投稿アプリであるTikTok(ティックトック)。ユーザー数は世界で10億人を超え、大人気アプリとなっている。
ティックトックは、中国のIT大手バイトダンス(字節跳動)が運営していることから、アメリカなどから危険なアプリだとしてたびたび批判されてきた。そして最近になってもまた、その安全性が次々と話題になっている。
結局のところ、ティックトックは「危ない」アプリなのか?
そもそもティックトックの安全性が大きく取り沙汰されたのは、トランプ前政権が米国内でティックトックを禁止しようとしたからだった。実際には、それより前から個人情報やデータが中国側に抜かれてしまう懸念は出ており、2019年には13歳以下の利用者の名前や写真、位置情報などの情報を集めていたとして、米連邦取引委員会から570万ドルの罰金を課されたこともある。
トランプの動きによって、当時アメリカ人ユーザーのデータを守るためにティックトックを米企業に買収させる提案が出た。今年6月にティックトック側は、アメリカ人のデータは米IT大手オラクルのクラウドに移行するとしている。あくまで、アメリカ人のデータだが。
ところが、その直後の6月20日に、ティックトック内部の会議の音声80本が漏洩し、暴露された。それら音声によると、中国国内にいるエンジニアがティックトックのデータに自由にアクセスできることが明らかになっており、物議になっている。
コンテンツには共産党の意向が反映される
またティックトックのコンテンツが、中国共産党の意向に影響されているのではないかという疑惑もある。ティックトックは2019年に、政治的なメッセージの広告を禁止にしている。さらに9月21日には、今年11月に行われるアメリカの中間選挙を前に政治的な投稿そのものを禁止すると発表した。
2016年の米大統領選でロシアのスパイ組織などがSNSを悪用して選挙介入した事実を鑑みると、テックトックの発表は評価されるべきだろう。ただその一方で、ティックトックのコンテンツが中国共産党の思惑に沿うような形でコントロールされているという疑念も出ている。
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