World Voice

アルゼンチンと、タンゴな人々

西原なつき|アルゼンチン

アルゼンチン36年ぶり3度目のW杯優勝!その後の街の様子

36年ぶりのW杯優勝で喜びを爆発させるアルゼンチン代表の選手たちとトロフィーを掲げるメッシ(12月18日) Carl Recine-REUTERS

2022年ワールドカップ、念願叶いアルゼンチンがついに36年ぶりの優勝!!
劇的勝利、そして盛大な凱旋パレードから約一週間経った今も、国内ではまだその余韻に浸っているような空気があります。

(優勝後のキャプテン・リオネル・メッシのツイート。
「世界チャンピオン!何度も夢見て、願ったものが現実になっていること、まだ信じられません......。家族、応援してくれる人たち、そして僕たちを信じてくれた人たちに感謝します」)

試合は後半戦残り10分というところまで2-0で、これは勝てるとアルゼンチン国民全員が一度は思ったところからの引き分け。延長戦でも一点を入れた直後に追いつかれPK戦にもつれこむ・・・、そんな息が止まりそうになるような試合を制した瞬間、爆発したかのように歓喜の叫びが街中、国中で響き渡りました。

試合後は市の中心部や街角に人々が集まり、喜びを共有しあっていました。私も中継でメッシがトロフィーを掲げるシーンまで見届け、電車に飛び乗ってブエノスアイレスの中心部、オベリスコまで行ってきました!

優勝直後から現在までのブエノスアイレスの街の様子を、ツイートと共に振り返ってみたいと思います。

この盛大なクラクション、到着する電車も喜んでいる・・・のか、ホームに落ちないように気をつけろという意味なのかかわりませんが、電車内の熱気が既に感じられます。

目的地に着くまで約40分乗っていたのですが、途切れることなく歌い飛び跳ねていました。
陸橋などを渡っているときも電車は縦に横に揺れていたので、私も飛び跳ねつつも頭の片隅では脱線して大事故になりやしないかヒヤヒヤでした。(そんな心配をしていたのは日本人の私だけだと思いますが)

そしていざ、オベリスコに到着!

奥に見える白い塔がブエノスアイレスのシンボル「オベリスコ」、大きなユニフォームがかかっている建物が世界3大劇場のひとつ「テアトロコロン」です。ここの人々は嬉しいことがあると高いところに上りたがる習性があるようで、大通り中央部、バス停の屋根の上にも人が沢山上っています。

信号などの他、オベリスコ、テアトロコロンの屋根の上にもよじ登ってアルゼンチン国旗を振り回して喜びを表現している人たちもいました。

こちらはオベリスコ上空、ドローンから撮影した写真です。

またそんな大騒ぎの傍ら、街中ではこんな感動的なシーンも。歓喜に沸く街中に住む老夫婦と、その付近にいた人々が一緒にお祝いしている様子です。

こういった光景が町の至る所で起こっていたのですが、その発端は、TikTokにアップされたひとつの動画。
グループリーグ勝利時から、町の若者たちとおばあさん(スペイン語でAbuela)が一緒に町中で盛り上がっている動画がSNS上でバズり、ここで即興で歌われていた、Abuela lalala♪というフレーズと共に、優勝時にはおばあさんが国民的有名人になっていた、、というのも忘れられないエピソードです。老若男女関係なく、知り合いであろうがなかろうが、みんなで一緒に祝福ムードを作り上げている様子は、アルゼンチンらしくてあたたかい気持ちにもなりました。

(この動画はAbuela lalalaブームのきっかけとなった最初の動画から優勝までの過程をまとめてあり、段々とおばあちゃんと一緒に勝利を祝いたいという人が増え続け、テレビ局のクルーも駆けつけています。)

Profile

著者プロフィール
西原なつき

バンドネオン奏者。"悪魔の楽器"と呼ばれるその独特の音色に、雷に打たれたような衝撃を受け22歳で楽器を始める。2年後の2014年よりブエノスアイレス在住。同市立タンゴ学校オーケストラを卒業後、タンゴショーや様々なプロジェクトでの演奏、また作編曲家としても活動する。現地でも珍しいバンドネオン弾き語りにも挑戦するなど、アルゼンチンタンゴの真髄に近づくべく、修行中。

Webサイト:Mi bandoneon y yo

Instagram :@natsuki_nishihara

Twitter:@bandoneona

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