ロシアの影に隠れた「本当の脅威」...欧州右派ポピュリズムの自律的な台頭
WING RISE IS NO FLUKE

チェコのポピュリスト政党を率いるバビシュ(写真手前右) GABRIEL KUCHTA/GETTY IMAGES
<欧州で相次ぐ選挙で、ロシアによる偽情報工作や干渉が注目を集めている。だが、右派ポピュリスト勢力の台頭は外部からの操作ではなく、内発的な民意の表れだ。ロシアの影に目を奪われるあまり、自由民主主義が直面する根源的な危機を見落としてはいないだろうか>
▼目次
1.「ロシアの陰謀」では片づけられない──民意が動かす欧州の右傾化
2.真の脅威は「外」ではなく「内」にある──民主主義の現実への不在
最近の欧州での選挙には、ロシアによる妨害と偽情報拡散の影が常に付きまとう。9月28日に行われた議会選で親欧米派が勝利したモルドバでも、10月初旬の下院選で富豪のアンドレイ・バビシュ前首相率いるポピュリスト政党が第1党となったチェコでも、ロシアによる選挙妨害の脅威は現実のものとなっている。
だがロシアの動きに執着しすぎると、もっと根深くて厄介な状況を見失うことになる。それは右派ポピュリストや民族主義者が真に大衆の支持を得ているという事実だ。
「ロシアの陰謀」では片づけられない──民意が動かす欧州の右傾化
マチェイ・キシロフスキ
ウィーンのセントラル・ヨーロピアン大学准教授(法学)。研究対象は、法規制などマーケット以外の分野へのイノベーション戦略の応用。多くの媒体に東欧地域の政治経済に関するコラムを寄稿。
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【note限定公開記事】ロシアの影に隠れた「本当の脅威」...欧州右派ポピュリズムの自律的な台頭
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