コーラもピザもNG「アメリカ製品はもういらない」...インドの消費者に起きた意識の変化とは?

8月11日、マクドナルドやコカ・コーラ、アマゾン・ドット・コム、アップルといった米国を拠点とする多国籍企業は、インド国内で呼びかけられている米国製品不買運動の標的となっている。写真はムンバイにあるマクドナルドの店舗前で2024年2月撮影(2025年 ロイター/Francis Mascarenhas)
マクドナルドやコカ・コーラ、アマゾン・ドット・コム、アップルといった米国を拠点とする多国籍企業は、インド国内で呼びかけられている米国製品不買運動の標的となっている。これは企業幹部やモディ首相の支持者らが、トランプ米大統領がインドからの輸入品に突きつけた50%の関税に反発し、反米感情をあおっていることが背景にある。
世界最大の人口を誇るインドは、急拡大する富裕層をターゲットに展開する米国ブランドにとって主要市場だ。消費者の多くは、国際的なブランドを社会的地位向上の象徴とみなし、今も強い憧れを抱いている。
一例としてインドは米メタ・プラットフォームズが抱えるメッセージアプリ「ワッツアップ」の利用者数が最大の市場であり、ドミノ・ピザはインドで最も多くの店舗を展開するピザチェーンとなっている。ペプシコーラやコカ・コーラなどの飲料は店頭の棚を独占することがしばしばあり、新しいアップルストアが開業したり、スターバックスのコーヒー店が割引販売をしたりすると、今でも行列ができる。
不買運動によって米国製品の販売に打撃があったという直接的な兆候は現時点では見られない。ただトランプ関税は輸出業者を動揺させており、米国とインドの関係が損なわれたとして交流サイト(SNS)や口コミで米国製品の購入を取りやめ、地元製品を購入しようという呼びかけが広がっている。