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NY外為市場=ドル下落、9月利下げ観測強まる

2025年08月14日(木)05時34分

ニューヨーク外為市場では、前日に続きドルが主要通貨に対し下落した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、前日に続きドルが主要通貨に対し下落した。ベセント米財務長官が連邦準備理事会(FRB)に利下げサイクルを開始するよう求めたことで、FRBが来月の会合で利下げを決定する確率がほぼ100%織り込まれるなど、利下げ観測が強まっていることがドル売りにつながっている。

主要通貨に対するドル指数は0.2%安の97.856と、7月28日以来の安値を更新。前日の取引では0.5%下落していた。

前日発表の7月の消費者物価指数(CPI)が緩やかな上昇にとどまったことでFRBが9月の会合で利下げに動くとの観測が裏付けられ、ドルは軟調になっていた。この日は、ベセント財務長官がブルームバーグとのインタビューで「9月に50ベーシスポイント(bp)の利下げを開始し、一連の利下げを実施することが可能だ」とし、いかなるモデルも「金利がおそらく150─175bp低下すべきことを示唆している」と指摘。労働省発表の雇用統計で5、6月分の雇用者数が大幅に下方修正され、7月の雇用者数の伸びが鈍化したことが、9月に大幅利下げを求める根拠になると述べた。

CMEフェドウォッチによると、ベセント長官の発言を受け、9月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で25bpの利下げが実施される確率は99.9%に上昇した。

前日はトランプ米大統領がFRBに改めて利下げを要求すると同時に、FRB本部の改修工事を巡りパウエルFRB議長が「著しく無能な仕事」を行っているとして、パウエル氏に対する「大規模な訴訟」を進めることを検討していると明らかにした。

スコシアバンクのチーフ外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「FRBに対し政府からかなり大きな圧力がかかっている」と指摘。コメルツバンクの外為アナリスト、マイケル・フィスター氏は、こうした動きは権威主義国家を彷彿とさせるとし「米国が権威主義的国家になると言ってるわけではないが、このところの動きはドル相場を巡る楽観につながるものではない」と述べた。

終盤の取引でユーロ/ドルは0.2%高の1.1698ドル。一時は7月28日以来の高値を付けた。

 暗号資産(仮想通貨)のイーサリアムは一時約3%上昇し4748.77ドルと、約4年ぶりの高値を更新。その後は上げ幅を縮小し、4705.67ドル。

ドル/円 NY午後4時 147.44/147.45

始値 147.40

高値 147.56

安値 147.10

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1699/1.1700

始値 1.1716

高値 1.1723

安値 1.1694

ロイター
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