最新記事
安全保障

少子化で韓国軍6年で2割縮小――北朝鮮との肉弾戦でとりわけ不利に

South Korea's Population Crisis Shrinks Military Amid Threat From North

2025年8月12日(火)15時58分
マイカ・マッカートニー
海上浸透訓練を行う韓国陸軍特殊部隊

海上浸透訓練を行う韓国陸軍特殊部隊(7月9日、泰安郡)© Defense Ministry via ZUMA Press Wire

<少子化が進めば警察、消防などと共に国を守る兵力も不足する。敵がローテクの物量で攻めてくる場合には特に、テクノロジーでカバーするのは難しい>

韓国国防部の最新報告によると、出生率の低下によって徴兵可能な男性人口が減少し、韓国軍は6年前と比べて規模が20%縮小した。

【チャート】韓国の深刻な出生率と結婚件数

韓国の2024年の合計特殊出生率は女性1人あたり0.75人で、世界最低。人口維持に必要とされる2.1を大きく下回る水準だ。同年、65歳以上の高齢者割合は20%を突破し、日本と並ぶ「超高齢社会」に入った。

こうした人口動態の変化は、世界第4位の経済規模を持つ韓国の経済だけでなく、核兵器を保有する北朝鮮との安全保障環境にも大きな影響を与えるとみられる。

韓国の現役兵力は45万人で、2019年から約11万人減少した。この間に17個師団が解散または統合された。

この数字は国防部と兵務庁の共同報告に基づき、韓国国会法制司法委員会の秋美愛議員を通じてメディアに共有された。

特に陸軍の減少が顕著で、この6年間に10万人以上が減った。幹部候補生試験の合格率も過去の半分程度に低下している。

国防部は、防衛態勢の維持に必要とされる最低兵力を5万人下回っているとし、出生率の低下を最大の要因に挙げている。

徴兵対象の中心である20歳男性の人口は、2019年から30%減少し、約23万人となった。

国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」鑑賞チケット2組4名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザ支援船、イスラエル軍が残る1隻も拿捕

ビジネス

世界食糧価格指数、9月は下落 砂糖や乳製品が下落

ワールド

ドローン目撃で一時閉鎖、独ミュンヘン空港 州首相「

ビジネス

中銀、予期せぬ事態に備える必要=NY連銀総裁
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 6
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 7
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 8
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 9
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中