大酒のみで癇癪持ち、体罰も当たり前...中国トップの習近平の父・習仲勲の苛烈極まる教育法とは
For Love of Party
肩車中の「おしっこ」に...
子供たちへの厳しい接し方は、体罰という形を取ることもあった。
中国の政治的エリート層の一家に取材を重ねてきたジャーナリストのジョン・ガーノーはこう記している。「習仲勲は品格のありそうな外面とは裏腹に、大酒飲みで、時折かんしゃくを爆発させた。習一家の親しい友人によれば、その怒りの矛先は子供たちに向けられることも多かった」
中国政界の中枢に食い込んでいる別のジャーナリストによると、あるとき習仲勲は激しく立腹し、自分の子供たちと、ほかの高官の子供を一列に並ばせて、順番に殴っていったことがあったという。
習仲勲がほとんどの親より子供たちに厳しかったことは事実だが、「赤い貴族」とも呼ぶべき共産党幹部の家庭で子供が親に絶対服従だったのは、習一家に限ったことではなかった。当時、多くのエリート家庭は、子供たちに厳しいルールを課していたのだ。
ある友人が習仲勲に、なぜ子供たちに厳しく接するのかと尋ねると、こんな言葉が返ってきた。「子供たちを怯えさせたいわけではない。天と地への畏敬の念を持たせることが目的だ。そうすれば、まだ幼いうちに好き勝手な振る舞いをしてはならないと学ぶことができる」
しかし、習仲勲はソフトな一面も持っていた。あるとき、近平を肩車して歩いていたとき、近平がおしっこし始めたことがあった。すると、仲勲はおしっこが終わるまで辛抱強く待った。おしっこの最中に怖い思いをさせると、その子が「生涯にわたって病気を患う」と考えていたのだ。