指導者殺害、治安回復、また銃撃戦...カダフィ後の「分断」リビアでいま起こっていること
Violent Clashes Erupt in Libya After Top Official Assassinated
トリポリは厳戒態勢に
今回の衝突は、強大な民兵組織「安定支援機構(SSA)」の指導者、アブデル・ガニ・アル=キクリ(通称「ゲニワ」)が殺害されたことに端を発している。
SSAはリビアの暫定的国家元首機関である大統領評議会の傘下にある組織。大統領評議会は2021年に国連が承認したプロセスを通じて「国民統一政府(GNU)」と共に政権を担っている。
リビアのテレビ局がキクリの死を報じた後、5月12日午後9時からトリポリでは発砲音や爆発音が確認された。SNS上では、夜間に撮影された衝突の映像と思われる投稿が拡散されている。
AFP通信は、人口密集地でもあるトリポリの南部郊外で起きた今回の衝突は、トリポリを拠点とする武装勢力と、トリポリから東に200キロ離れたミスラタを拠点とする対立勢力との間で発生したものだと報じている。
現在、衝突の舞台となったトリポリには厳戒態勢が敷かれている。
トリポリとその郊外の一部地区では、13日以降、学校が当面閉鎖されている他、当局は住民に屋内での待機を呼びかけている。
保健省はトリポリ市内の病院や医療センターに対して非常事態に備えるよう指示した。内務省は「市民の安全のため」として市民に外出自粛を要請している。