最新記事
教皇選挙

教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」とは何なのか、なぜ破壊されるのか?

What Is Pope Francis' Fisherman's Ring and Why Is It Destroyed After His Death?

2025年5月8日(木)18時19分
タハール・ラジャブ
「漁師の指輪」を身に着ける教皇フランシスコ

「漁師の指輪」を身に着ける教皇フランシスコ(2013年3月)REUTERS

<映画『教皇選挙』にも登場。教皇が身に着け、信者たちがこぞってキスをする「指輪」にはどんな意味がこめられていて、なぜ破壊されなければならないのか──>

4月21日に脳卒中と心不全のため亡くなった教皇フランシスコ。教皇の死後、カトリック教会で執り行われる多くの伝統行事と儀式の中で、再び注目を集めたのが「漁師の指輪」の行方だ。

【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラーベ)のルールから2つの派閥、「ダークホース」まで

「漁師の指輪」とは何なのか?

漁師の指輪(ピスカトリウス・リングとも呼ばれる)は、教皇の象徴的な指輪。通常、聖ペトロの魚のイメージが刻まれており、公式文書の封印に使われる。

この指輪は単なる装飾品ではなく、すべての教皇が聖ペトロの後継者であるという霊的な継承を表し、カトリック教会の権威と連続性を象徴する。

教皇フランシスコの指輪について

伝統的に漁師の指輪は金で作られるが、教皇フランシスコに与えられたのは金メッキされた銀製の指輪だった。

この指輪は、金細工師のエンリコ・マンフリーニによって教皇パウロ6世のためにデザインされたが、当時はまだ金属に鋳造されておらず、パウロ6世は代わりに第二バチカン公会議を記念する指輪を選んでいる。

その後、蝋型から金メッキされた銀製の指輪が作られ、フランシスコに贈られた。彼は、2つの鍵を持つ聖ペトロの姿が刻まれた質素なデザインの指輪を選び、司教時代から使っていたシンプルな十字架入りの銀の指輪を身につけている姿もよく見られた。

食と健康
「60代でも働き盛り」 社員の健康に資する常備型社食サービス、利用拡大を支えるのは「シニア世代の活躍」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

航空連合ワンワールド、インドの提携先を模索=CEO

ワールド

トランプ米政権、電力施設整備の取り組み加速 AI向

ビジネス

日銀、保有ETFの売却開始を決定 金利据え置きには

ワールド

米国、インドへの関税緩和の可能性=印主席経済顧問
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中