最新記事
移民

米国境はパナマまで南下? 「壁」建設を目指す新大統領がトランプ「返り咲き」に期待する理由

Panama's New President Promises to Close Crossing for US-Bound Migrants

2024年8月13日(火)13時22分
ヘスス・メサ
パナマのダリエン県、ラハス・ブランカスにある移民ステーションに到着した人々

パナマのダリエン県、ラハス・ブランカスにある移民ステーションに到着した人々(2024年6月28日) Reuters/Aris Martinez

<中南米からアメリカを目指す移民の通り道、ダリエン地峡に「壁」を建設する意向のムリノ大統領は、なぜトランプ前大統領の「返り咲き」に期待するのか──>

中米パナマのホセ・ラウル・ムリノ新大統領は、ダリエン地峽を封鎖する壁を建設する意向を示している。コロンビアとの国境付近に広がるこの地峽は、中南米からアメリカへ向かう移民の通り道となっているジャングル地帯だ。

「アメリカの国境はテキサスからパナマに移動した」とムリノは述べ、移民を狙った強盗や暴行事件を減らすためには、移民の流入を緊急に抑える必要があるとしている。


昨年だけで50万人以上の移民(そのうち11万人余りは子供)がこの危険な地域を通過し、2019年の2万4000人から急増している。国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは報告書で、移民がしばしば性的暴行の対象になっていると指摘した。

最近ムリノは、ドナルド・トランプ前米大統領が返り咲いたら壁建設への支援を求めたいと語った。しかし地峡を完全に封鎖するのはまず不可能で、移民をさらに危険なルートへと追い込みかねない。

ダリエン地峡の沼地のジャングルは、コロンビアとパナマの国境にまたがり、南北約160キロ。ベネズエラやキューバなど中南米諸国からだけでなく、遠くアフリカやアジアからアメリカに向かう主要ルートにもなっている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米アマゾンプライム会員登録、イベント拡大でも低迷=

ワールド

再送トランプ氏、シカゴへの州兵派遣を明言 知事「政

ビジネス

ブラジルGDP、第2四半期は0.4%増

ワールド

米軍、カリブ海でベネズエラ発の船舶攻撃 麻薬積載=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨッ…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 10
    トランプ関税2審も違法判断、 「自爆災害」とクルー…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 9
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中