最新記事
舞台

ビヨンセや「WAP」のMVを手掛けたスター振付師が『ウィズ』でブロードウェイに進出

Black Joy Takes Center Stage

2024年5月24日(金)18時16分
ナディラ・ゴフ
ミュージカル『ウィズ』ブロードウェイリバイバル公演の舞台写真

『ウィズ』 のリバイバル版がブロードウェイで開幕 JEREMY DANIEL-SLATE

<「マイケル・ジャクソンを超えようとすれば自滅するだけ」... 振付師ジャケル・ナイトが全員黒人キャストのミュージカル『ウィズ』で表現したものとは>

傑作ミュージカル『ウィズ』の新しいブロードウェイ公演がジャケル・ナイトの振り付けで制作されると発表されたとき、一部のネットコミュニティーが沸き立った。

1974年にブロードウェイで初演された『ウィズ』は、児童文学『オズの魔法使い』を原作に、設定を変更して全て黒人キャストで制作されたミュージカルだ。78年には、シドニー・ルメットが監督し、ダイアナ・ロスやマイケル・ジャクソンらが出演した映画版が公開された。

新しいミュージカル版が制作されるというニュースに、旧作を知るファンが盛り上がっただけではない。今日のポップスターや女性ラッパー、R&Bシンガーのファンたちの反響も大きかった。振付師のナイトは、数々の有名スターの印象深いダンスの振り付けを担当してきたのだ。

カーディ・Bとメーガン・ジー・スタリオンによるシングル「WAP」やビヨンセのシングル「シングル・レディース」のミュージックビデオ、ビヨンセが2018年に野外ロックフェスティバル「コーチェラ」で披露した公演にも参画している。

商業音楽界で屈指の売れっ子振付師が舞台へ進出することになったわけだが、古典的名作への敬意を払うことと、自分なりのひねりを加えることのバランスを取るのは、簡単ではなかっただろう。

今年4月、『ウィズ』のブロードウェイ公演が開幕するのを機に、スレート誌のナディラ・ゴフがナイトに話を聞いた。

◇ ◇ ◇

――今回、舞台の世界に挑戦しようと思った理由は?

舞台はずっと好きだった。商業音楽のジャンルは、舞台から着想を得て発展してきたと思っている。
それに、私は自分の振り付けを通じてストーリーを伝えたいと思ってきた。人物を表現することを大切にしてきた。今回の舞台は、その集大成だ。

――あなたは、18年のビヨンセの公演で振り付けを担当した。そのような作品を作ることと舞台制作の違いは?

少なくともビヨンセの公演の場合は、ミュージカルとあまり大きな違いがなかった。コンサートは音楽中心になることが多いけれど、私はいつもさまざまな種類のアートを交わらせようとしている。振り付け、ダンス、音楽、ストーリーテリング、そして自分の行動と言葉を理解することは全て、なんらかの形で一体を成すべきだと思っている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国機の安全阻害との指摘当たらず、今後も冷静かつ毅

ビジネス

バークレイズ、英資産運用大手エブリン買収を検討=関

ワールド

独仏首脳、次世代戦闘機開発計画について近く協議へ=

ワールド

香港議会選の投票率低調、過去最低は上回る 棄権扇動
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中