最新記事

気象

嵐で破壊された米クルーズ船の乗客が撮影...浸水する船内、襲い掛かる高波 「絶対に経験したくない」恐怖映像

2023年6月4日(日)13時00分
マービン・アン
荒らしに見舞われるクルーズ船

写真はイメージです Page Chichester/iStock

<大西洋を航行中のクルーズ船が暴風雨に巻き込まれ、船内が浸水する緊迫した状況と周辺の海の様子を乗客が撮影していた>

米サウスカロライナ州チャールストン南東部の沿岸で、クルーズ船が激しい暴風雨による高波に襲われ、船内が潜水するなどの被害が出た。乗客が撮影した荒れ狂う波と、浸水した船内の映像は、ネットを通じて世界の人々に衝撃を与えている。

■【動画】嵐で破壊されたクルーズ船内が浸水する様子と、船の周辺で荒れ狂う高波...乗客が撮影

クルーズ船「カーニバル・サンシャイン」の乗客が5月25日に公開した映像には、大西洋を航行中の同船の上空を分厚い雲が覆い、周辺の海域で波が荒れている様子が映っている。FOXウェザーによると、船内が浸水し、窓が破壊されるなどしたとの報告が乗客や乗組員から寄せられた。

Twitterに投稿された別の映像も、大きな話題となった。激しい暴風雨によって、船内が浸水し、損壊しているのが確認できる。

映像は、クルーズ船に関する情報を発信しているウェブサイト「クルーセンター」が公開したもので、「デッキ0〜4のクルーは、劇場や休める場所に避難した。クルー専用バーは破壊された」とキャプションには記されている。

船を運行するカーニバル・クルーズ・ラインは5月29日、「カーニバル・サンシャインのチャールストンへの帰港は、土曜日(27日)の天候と荒波の影響を受けた。同地域における天候の影響が長引いたため、日曜日の船の到着が遅れ、次の航海の乗船にも遅延が発生した。ゲストの忍耐と理解に感謝する」とFOXウェザーに語った。

同社はまた、荒波と悪天候のため、一部の乗員室が浸水被害を受けて一時的に使用できなくなったものの、「すべての公共エリアではサービスは提供されており、カーニバル・サンシャインは現在、次のクルーズである5日間のバハマ航海に出ている」と説明した。

船の窓から見える「荒れ狂った」高波

メモリアルデー(戦没者記念日)の連休だった先週末の悪天候について、国立ハリケーンセンター(NHC)は、低気圧が熱帯低気圧に発達することはないとの見方を示した。

NHCの気象予報士は、カーニバル・サンシャインが嵐に巻き込まれる2日前に、マイアミにある運行会社の本社を訪れていた。しかし、同船がノースカロライナ州に向かって出航した後、暴風雨となった。

低気圧は同州の内陸に移動するにつれて弱まる見込みだが、中部大西洋沿岸地域の一部では海辺で過ごすのは困難となり、東海岸では波が高くなる恐れがあると、FOXウェザーは伝えている。

一方、カーニバル・サンシャインの乗客が撮影した、船の窓から見える「荒れ狂った」高波の映像も、Twitterで人々の注目を集めている。動画を見た人からは、「1981年に乗客350人の小さなクルーズ船に乗り、こうした状況を体験したことがある。私を含む一部の人を除き、ほぼ全員が船酔いした」「最悪の悪夢だ」といった声が寄せられた。


ソニーのブラビアが30%オフ【アマゾン タイムセール(9月27日)】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

英政府、北海ローズバンク油田の開発を承認 エクイノ

ビジネス

ユーロ圏企業向け融資、8月は前年比+0.6% 15

ビジネス

訂正中国工業企業利益、1─8月は前年比11.7%減

ビジネス

中国恒大集団の許家印会長、警察の監視下に=BBG

今、あなたにオススメ

MAGAZINE

特集:日本化する中国経済

特集:日本化する中国経済

2023年10月 3日号(9/26発売)

バブル崩壊危機/デフレ/通貨安/若者の超氷河期......。失速する中国経済が世界に不況の火種をまき散らす

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    黒海艦隊「提督」の軽過ぎた「戦死」の裏に何があったのか

  • 2

    ロシア黒海艦隊、ウクライナ無人艇の攻撃で相次ぐ被害──「大規模反攻への地ならし」と戦争研究所

  • 3

    ウクライナが手に入れた英「ストームシャドウ」ミサイルの実力は?

  • 4

    「可愛すぎる」「飼いたくなった」飼い主を探して家…

  • 5

    最新兵器が飛び交う現代の戦場でも「恐怖」は健在...…

  • 6

    西日本最大級のグルメイベント「全肉祭」 徳島県徳…

  • 7

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗…

  • 8

    「中流階級」が50%以下になったアメリカ...縮小する…

  • 9

    ゼレンスキー、念願の最強戦車「エイブラムス」がウ…

  • 10

    中央アジアでうごめく「ロシア後」の地政学

  • 1

    黒海艦隊「提督」の軽過ぎた「戦死」の裏に何があったのか

  • 2

    マイクロプラスチック摂取の悪影響、マウス実験で脳への蓄積と「異常行動」が観察される

  • 3

    最新兵器が飛び交う現代の戦場でも「恐怖」は健在...「スナイパー」がロシア兵を撃ち倒す瞬間とされる動画

  • 4

    常識破りのイーロン・マスク、テスラ「ギガキャスト」に…

  • 5

    これぞ「王室離脱」の結果...米NYで大歓迎された英ウ…

  • 6

    「ケイト効果」は年間1480億円以上...キャサリン妃の…

  • 7

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗…

  • 8

    J.クルーのサイトをダウンさせた...「メーガン妃ファ…

  • 9

    「この国の恥だ!」 インドで暴徒が女性を裸にし、街…

  • 10

    ロシアに裏切られたもう一つの旧ソ連国アルメニア、…

  • 1

    イーロン・マスクからスターリンクを買収することに決めました(パックン)

  • 2

    <動画>ウクライナのために戦うアメリカ人志願兵部隊がロシア軍の塹壕に突入

  • 3

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗組員全員死亡説も

  • 4

    コンプライアンス専門家が読み解く、ジャニーズ事務…

  • 5

    「児童ポルノだ」「未成年なのに」 韓国の大人気女性…

  • 6

    サッカー女子W杯で大健闘のイングランドと、目に余る…

  • 7

    「これが現代の戦争だ」 数千ドルのドローンが、ロシ…

  • 8

    黒海艦隊「提督」の軽過ぎた「戦死」の裏に何があっ…

  • 9

    「この国の恥だ!」 インドで暴徒が女性を裸にし、街…

  • 10

    墜落したプリゴジンの航空機に搭乗...「客室乗務員」…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中