最新記事

日韓関係

韓国、有名PDがプレステゲーム『拝借』? ゲームでは「鬼滅」のそっくりも いまだに止まぬ日韓パクリ論争

2020年7月22日(水)20時25分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

韓国のヒットメーカー、ナ・ヨンソクPDの新番組が視聴率1位となったものの炎上している。세계일보 / YouTube

<この夏話題のリアリティーバラエティー番組が炎上。そこには日本との問題が......>

日韓両国でたびたび問題となるのが盗作疑惑だ。筆者が韓国に初めて住み始めた2000年は、日本は今ほど韓国の文化に興味が無かったからか、日本で観たことのあるようなクイズ番組やバラエティー番組、また商品デザインをそのままもってきたようなパクリ疑惑の商品を目にすることが多かった。

ところが、インターネットやスマートフォンが普及し、情報社会になった今では、全国民がサイバー警察となり、似た作品があるとすぐに盗作を指摘されるようになった。

CJENM社が運営する放送局tvNでは、今月新番組『여름방학(夏休み)』の第1話が放送された。この番組は、『삼시세끼(三食ご飯)』『신서유기(新西遊記)』『꽃보다할배(花よりおじいさん)』など、次々と人気番組を世に送り出している韓国で有名な敏腕TVプロデューサー、ナ・ヨンソクPDが手掛ける新作番組だ。

映画『トガニ 幼き瞳の告発』『新感染 ファイナル・エクスプレス』『82年生まれ、キム・ジヨン』など話題作に主演し続けている女優チョン・ユミと、『新感染 ファイナル・エクスプレス』でチョン・ユミと共演し、『パラサイト 半地下の家族』では主人公の息子ギウ役を好演した俳優チェ・ウシクが出演している。この二人が、夏休みをテーマに海辺の一軒家で1カ月田舎生活を送り、その生活風景をのぞき見する癒し系バラエティー番組である。

ヒットメーカーと人気俳優の組み合わせ、さらに1回目には日本でもヒットしている『梨泰院クラス』のパク・ソジュンがゲスト出演するとあって多くの注目を集めた。

視聴率1位を獲得した新番組にネット上で批判が殺到

ところが、今月17日第1話目が放送されると、視聴率こそ最高6.8%で同時間帯番組首位の人気を得たものの、すぐにネット上でこの番組の構成や進行方式が日本のゲーム『ぼくのやつやすみ』と似ていると批判が殺到した。

日本のゲーム『ぼくのなつやすみ』は、2000年の夏にソニーから第1弾が発売された人気ゲームであり、その後、シリーズ化されている。架空の田舎に預けられた9歳の主人公ボクが、自然に触れ昆虫採集や魚釣り、朝のラジオ体操などして昔懐かしい日本の夏を疑似体験することができるゲームである。

番組から番組へ、歌から歌へ等、同じコンテンツ同士そっくりで盗作疑惑がかけられることは多いが、ゲームからバラエティー番組になるのは珍しい。いったいどの部分が酷似し盗作と言われているのだろうか。

またネット上で一番多く指摘が上がったのは、舞台となる一軒家だ。韓国では珍しい外観をしており、日本家屋風なデザインをしている。さらに、一部の人たちは画面を一時停止しつつ、屋内の家電製品や小物も日本でよく使うものが多いことをネットに投稿した。

そして、1日が終わると今日の出来事を毎日絵日記に書き、そのページが画面に映し出されるのも『ぼくのなつやすみ』と似ていると言われている。加えて、番組タイトルオープニングのアニメーションも、ほのぼのとしたタッチがゲームの雰囲気と似ているというのだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス

ビジネス

米国株式市場=S&Pとナスダック下落、ネットフリッ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中