最新記事

感染症対策

親中? 失策? 資金拠出停止に直面するWHOとはどんな組織か

2020年4月19日(日)12時50分

世界保健機関(WHO)にスポットライトが当たっている。写真はスイス・ジュネーブで撮影されたWHOのロゴ。1月30日撮影(2020年 ロイター/Denis Balibouse)

世界保健機関(WHO)にスポットライトが当たっている。新型コロナウイルスとの地球規模の闘いを支える一方で、米トランプ政権からの資金拠出停止に直面しているためだ。

WHOとは何か、何をしているかについて主な点をまとめた。

WHOとは何か

1948年に発足した国連の専門機関。世界の保健衛生レベルの向上を目指す。150カ国にある事務所と6つの地域機関、本部ジュネーブで総勢7000人以上が働く。

事務局長は現在、エチオピア出身のテドロス・アドハノン氏。任期は5年で、テドロス氏の任期は2017年7月1日に始まった。

何をしているか

設立目的に「保健健康を促進し、世界の安全を維持し、弱い者に奉仕する」を掲げる。

各国・地域の政府に対し保健政策を強制する権限はないが、助言役として活動。疾病予防と保健改善に向けた最善の実践について指針を提供する。

主なものは3つある。

・あらゆる国で、だれもがアクセスできる保健衛生を目指す

・保健衛生の緊急事態を予防し、発生した場合は対応する。

・すべての人への健康と安心を促進する。

WHOが行わないこと

多くの国際機関と同様、WHOは活動の範囲や使える資源について誤解を受けている。

WHOは「世界の医師」ではない。治療行為や疾病の監視はしない。ただし、そうした事柄について、各国当局ならびに国際的な当局に助言する。

制裁を科す権限はない。発表する情報も、加盟国や専門家から得るデータや専門知識を照合し、発表しているだけだ。

加盟国の状況

加盟国は現在194カ国。リヒテンシュタインは国連には加盟するが、WHOには加盟していない。

WHOの世界保健総会は各加盟国が任命する代表で構成し、年1回開催、WHOの諸方針を定める。総会で毎年改選される執行理事会が実行する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ一時初の4万ドル台、利下げ観測が

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、4月輸入物価が約2年ぶりの

ビジネス

中国の生産能力と輸出、米での投資損なう可能性=米N

ワールド

G7、ロシア凍結資産活用巡るEUの方針支持へ 財務
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 3

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃のイスラエル」は止まらない

  • 4

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 5

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 6

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 7

    2023年の北半球、過去2000年で最も暑い夏──温暖化が…

  • 8

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    仰向けで微動だにせず...食事にありつきたい「演技派…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中