最新記事

アメリカ社会

イースター終了で捨てウサギ急増 対策は「ペットショップでの動物販売禁止」

2019年4月23日(火)13時30分

意図せぬ動物虐待

「ウサギはただケージの中に座ってニンジンを食べているというありがちな誤解がある」と話すのは、皮膚科医のジェイコブ・レビットさん(44)だ。レビットさんはまだ若いウサギ8匹を保護し、ニューヨーク市の豪華マンションの自宅で放し飼いしている。

ウサギを閉じ込め、正しい食事である牧草の干し草を与えないのは「意図せぬ動物虐待」だと、レビットさんは言う。

ファルビオ・ローマンさん(32)の婚約者はペットショップでウサギを「衝動買い」した。世話をするのに準備不足だったとローマンさんは認める。

ウサギは抱っこされるのを嫌がり、エアコンのコードをかみ、大家から返金不可の保証金1000ドル(約11万2000円)を要求されたため、ローマンさんらは飼い始めてから8カ月後にはウサギを保護施設に手放した。

「ウサギの世話がどれだけ大変か、誰もが知っているわけではない。私たちはそれを身をもって体験した」とローマンさんは言う。

ウサギの平均寿命は10年で30日ごとに繁殖し、平均8匹の子どもを産む。前出の保護団体によると、ペットショップでウサギに去勢手術をすることはまれだという。

カリフォルニアの法律では、消費者は動物を保護施設から引き取るか、あるいはブリーダーから直接購入することができる。

米ペット用品協会(APPA)によると、米国でペットとしてウサギを飼育する世帯数は280万世帯。一方、犬の飼育世帯数は6020万世帯、猫は4710万世帯、鳥類は790万世帯、馬は260万世帯だという。

前出の保護団体によると、米国で捨てられている動物のうち、ウサギは3番目に多い。

米国人道協会のジョン・グッドウィン氏は、イースターの贈り物として生きたウサギを購入しないよう訴えている。

「ウサギの形をしたぬいぐるみやチョコレートはいっぱいある」

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)


[ニューヨーク 18日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

イースターバニーとトランプ大統領


イースターとウサギといえば、去年はこれが話題になった The Guardian / YouTube

 

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3

ビジネス

米雇用なお堅調、景気過熱していないとの確信増す可能

ビジネス

債券・株式に資金流入、暗号資産は6億ドル流出=Bo

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇用者数
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 5

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 6

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    映画『オッペンハイマー』考察:核をもたらしたのち…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中