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貧困家庭の女子が人生を見限る「自己選抜」......「大学には行かれない」「子どもは欲しくない」

2019年2月13日(水)15時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

貧困は、結婚や出産の希望とも関連している。16歳生徒のデータによると、低所得層ほど「結婚したくない」「子どもは欲しくない」と答える生徒の率が高い傾向にある<図2>。

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数パーセントの差だが、国の大規模調査でこういう結果が出てくることには驚かされる。それは男子よりも女子で顕著だ。上述のように、低所得層の女子は、自分の将来を早い段階から見限る傾向にあるのだが、進路志望のみならず人生展望全般に影響が出ている。劣等感を植え付けられる、家庭で母親の大変な姿を目の当たりにするなど、要因はいろいろ考えられる。

こう見ると、わが国で未婚化・少子化が進んでいるのは、子どもの貧困が深刻化していることも大きな要因になっていると考えられる。家庭生活の暗い側面を見せられたら、「こうはなるまい」と子どもが思うのは道理だ。子どもの貧困を、社会の維持・存続を脅かす問題と捉え、その解消に取り組む必要がある。

<資料:総務省『社会生活基本調査』(2016年)
    厚労省『第16回・21世紀出生児縦断調査』(2017年)

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