独メルセデス、米アラバマ州工場の労働者が労組結成を否決
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5月17日、ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツの米アラバマ州バンス工場の労働者は、労働組合結成の是非について投票し、反対多数で否決した。写真は同工場で15日撮影(2024年 ロイター/Nora Eckert)
Nora Eckert
[バンス(米アラバマ州) 17日 ロイター] - ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツの米アラバマ州バンス工場の労働者は17日、労働組合結成の是非について投票し、反対多数で否決した。外資系自動車メーカーなどの労働者の取り込みを目指している全米自動車労働組合(UAW)にとっては痛手となった。
労組結成への反対は2642票(全体の56%)、賛成は2045票だった。
UAWは米自動車大手3社の賃上げや、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)のテネシー州チャタヌーガ工場労働者による労組結成には成功していたが、メルセデス労働者に否決されたことで今後の動きが不透明になった。UAWはトヨタやテスラを含む自動車メーカーの労働者の取り込みを目指している。
カリフォルニア大学バークレー校の労働学教授ハーレイ・シャイケン氏は「労組や他の組織化にとって明らかに痛手であるが、これは始まりに過ぎず、終わりではない」と指摘。メルセデス労働者による否決の要因として、労働者が労組に詳しくないことや、経営側による押し戻しを挙げた。
UAWのショーン・フェイン会長は「この敗北は痛恨ではあるが、われわれは前向きな姿勢を崩さない」と述べた。