最新記事

映画

「動く油絵」を駆使してゴッホの死に迫る異色作

2017年11月17日(金)16時15分
スチュアート・ミラー

当初、製作はなかなか進まず、画家を40人増やした。彼らを訓練する資金が足りなかったが、出資を募るには画家が描いたものを見せる必要がある。このジレンマの末に行き着いた戦略が、クラウドファンディングだった。

参加した画家はポーランドやギリシャの出身者が多く、ウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、日本の画家もいる。「画家はエゴイストが多いと聞いていたので少し心配していたが、あんなにうまくやれたことはない」と、ウェルチマンは言う。

「初めは私が一番仕事が遅かった」と、ポーランドの画家アナ・ビドリクは言う。スピードと想像力の両方を要求されて、うんざりしたこともあったが、ゴッホの技術の一端を学べたことは収穫だったと、彼女は思う。

ボビットによれば、週末は自分の作品に専念すると画家たちが言うことも。「ゴッホから離れる必要があったんだろう」

そんな彼らの努力のおかげで、観客はゴッホの世界にたっぷり浸ることができる。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

[2017年11月14日号掲載]

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

再送(11日配信記事)豪カンタス、LCCのジェット

ビジネス

豪当局、証取ASXへの調査拡大 安定運営に懸念

ワールド

豪首相、AUKUSの意義強調へ トランプ米大統領と

ワールド

イラン、イスラエル北部にミサイル攻撃 「新たな手法
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中