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バーチャル・リアリティ

安全な治療室の中、VRで恐怖と向き合う最新の不安障害治療

2017年8月4日(金)17時50分
松丸さとみ

ニューヨーク・タイムズは、デイドリーム・ビューと一緒に同じくグーグルの「ストリートビュー」を使えば、現実にある場所に行くこともできるとしている。例えばジュウェル医師の患者なら事故に遭った実際の交差点だ。ただストリートビューに関しては、静止画をもとにしているため臨場感は乏しいということなので、今後の発展が待たれる。

手が届く金額になったVRでの治療

VRを活用した暴露療法は、リンビックス以前は存在しなかったというわけではない。エモリー大学医学部のバーバラ・ロスバウム教授は、VRを使った心理療法で20年以上の経験がある。1996年にバーチャリー・ベターという企業を立ち上げ、以来、VRで暴露療法治療を行うためのツールを医師や病院に提供している。ただし、ニューヨーク・タイムズによると同社のVR機器は、数千ドルはするという。今回テストを終えたリンビックスのサービスはこれに比べるとかなり安価のため(デイドリーム・ビューと、治療がすぐに行えるよう設定済みのスマホがセットで449ドル、約5万円)、VRを使用した暴露療法がより一般的になる期待が持てる。

ただし、リンビックスのようなサービスは、きちんと訓練を受けた心理学者の指示のもとで行うよう専門家は警告している。安価のため自分で手にいれて自力で治療できないかと思ってしまうところだが、リンビックスのツールはセラピスト向けに販売していることを明記しておく。数年後には、日本にもこのようなサービスが入ってくることを期待しよう。

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