最新記事

キャリア

1900円のシャツと8900円のシャツは何が違うのか?

2017年7月28日(金)16時59分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Dutko-iStock.

<会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術。安いスーツと高いスーツ、安いシャツと高いシャツの違いについて>

スーツはおしゃれの道具ではなく、ビジネスツール。どんなに流行っていようと、どんなに似合っていようと、ビジネスシーンにふさわしい格好でなければNGだと、イメージコンサルタントの石徹白未亜氏は言う。だが現実には、残念なスーツ姿の男性が珍しくない。

そこで、石徹白氏は『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。――会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』(CCCメディアハウス)を出版。紳士服売り場でやってはいけない買い方から、値段以上の価値のあるスーツの選び方まで、軽妙なタッチでビジネスファッションのルールを解説した。

本書から一部を抜粋し、3回に分けて転載するシリーズ。第3回となる今回は、「黒いスーツがダメな理由」「ビジネスシーンに乳首はいらない」「バックルがGのベルトをしていないか」「2色以上のスーツを同時に探してはいけない」「素人の女とスーツを買いに行ってはいけない」......などと(時に過激な見出しで)実践的な内容が並ぶ後半から。

安いスーツと高いスーツ、安いシャツと高いシャツの違いについて。

※第1回:スーツはおしゃれの道具じゃない、「細身」では信用されない
※第2回:オーダースーツを作る前に、体臭・口臭をなんとかしてください

◇ ◇ ◇

1万9800円と5万9800円のスーツは何が違うのか?

 安いスーツと高いスーツは何が違うのか。よく聞かれる質問ですが、答えは「着りゃわかる」です。

 具体的には生地の原価と工程(手間)です。まず、生地の原価ですが、1万9800円のスーツはたいていポリエステルとウールの混合でしょう。ウールは価格が高騰しています。ポリエステルはユニクロのフリースでも使われる丈夫な繊維で、悪い繊維ではありませんが、風合いはウールに若干劣ります。高価格帯のスーツは多くがウール100%です。

 生地のブランドは大きくイタリア系とイギリス系に分けられ、イタリア系はわかりやすく「艶感」「華やかさ」があるものが多いです。よって高級感は出やすいですが、LEON的な、ちょい悪オヤジ的な、イキりがちな印象にもなりがちです。イギリス系は艶感がなくイタリア系と比較すると「質実剛健」「地味」な印象を受けますが、ビジネスシーンではこのくらい抑制があるほうが間違えません。

 次に工程です。たとえばスーツのジャケットの中には芯地と呼ばれる固い素材が入っていますが、値段によってその品質やつけ方が変わります。高いスーツは平たい生地に立体感を出すためのアイロンワークも惜しみません。

 などとお伝えしてきましたが、結局最初に挙げた「着りゃわかる」です。男性にありがちな傾向ですが、「スペック」「ブランド」「機能」「うんちく」「論拠」などのデータにはものすごくこだわるわりに、肝心の「実際着たらどうなるのか」が数キロ先に置き去りになっている人、相当数いますよ。袖を通せばすぐわかることなのだから、着ましょう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、ウ和平交渉で立場見直し示唆 トランプ氏

ワールド

ロ、ウ軍のプーチン氏公邸攻撃試みを非難 ゼレンスキ

ワールド

中国のデジタル人民元、26年から利子付きに 国営放

ビジネス

米中古住宅仮契約指数、11月は3.3%上昇 約3年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 5
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 6
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 7
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中