最新記事

実験

「ホントは、マタタビよりもゴハンよりも人間が好き」――猫より

2017年4月3日(月)15時50分
松丸さとみ

graphixel-iStock

「犬は人につき、猫は家につく」という言い習わしがある。これは、犬は飼い主(人)を愛するが、猫は飼い主ではなく家に愛着を持っている、という意味で、猫は人間をそんなに好きなわけではないという考えが、まことしやかに信じられて来た。しかしこの常識が覆される研究結果が発表された。

食べ物、おもちゃ、におい、人間、どれを選ぶ?

実験を行ったのはクリスティン・ビターレ・シュリーブ氏率いるオレゴン州立大学の研究チーム。

研究チームは、猫が実際は人間とさまざまな関わり方を楽しむにもかかわらず、「社交的でもなければしつけしやすいわけでもない」という正しくない通説が通っていると指摘。猫がしつけしにくいとされているのは、しつけの際に何を動機付けとして使うべきかを私たち人間が知らずにしつけしようとしているためと考えた。

そこで、猫はどんな刺激を一番喜ぶのかを見極めるため、インディペンデントによると55匹の猫(飼い猫23匹と、動物保護施設の保護猫22匹)を対象に、4種類の刺激物(食べ物、おもちゃ、におい、人間との交流)の中から猫が最も好むものを調べた。その結果、猫は人間との交流を一番好むことが分かったという。研究結果は学術誌Behavioural Processesに掲載された。

猫好きならすでに分かっていた実験結果?

猫はまず1匹ずつ隔離した上で、2時間半にわたり4つのカテゴリー(食べ物、おもちゃ、におい、人間との交流)からそれぞれ3種類の刺激物を与えた。猫が最も好む刺激を判断するために、食べ物(鶏肉、マグロ、猫用おやつ)、おもちゃ(羽根、ネズミのおもちゃ、針金の先に厚紙のおもちゃがついた「キャットダンサー」)、におい(アレチネズミのにおい、西洋マタタビと呼ばれるイヌハッカのにおい、ほかの猫のにおい)、人間との交流(赤ちゃん言葉で話しかける、撫でる、羽根がついたおもちゃで一緒に遊ぶ)のうちどの刺激でどのくらいの時間を過ごすかを記録した。

【参考記事】きょうだいよりもペットが大好き!子どもとペットとの強いつながりが明らかに
【参考記事】「世界猫の日」分断解消のカギを握るネコたち

この後、それぞれ4つのカテゴリーから猫が最も好んだ刺激物を1つずつ選び、4つの刺激物を同時に猫に与えた。この時に、猫が何を選ぶかで、その猫が何を好むかを判断した。

55匹中うまく実験をこなせたのは38匹だけだったが、ちょうど半数の19匹がほとんどの時間を人間と過ごしたという。次いで、14匹の猫が食べ物を選び、おもちゃを選んだのは4匹、においを選んだのは1匹だけだった。飼い猫か保護猫かによる違いは見られなかったという。

ニュース速報

ワールド

日米欧、過剰生産問題で共同声明発表へ 中国名指しせ

ワールド

米国、前提条件なしで北朝鮮と直接対話の用意=国務長

ワールド

米大統領、政府機関でのカスペルスキー製品利用禁止法

ビジネス

米ダウとS&P最高値、銀行株が上昇

MAGAZINE

特集:日本を置き去りにする作らない製造業

2017-12・19号(12/12発売)

ものづくり神話の崩壊にうろたえる日本。新たな形の製造業が広がる世界

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    推定500歳!地上で最古の脊椎動物はガリレオの時代から生きてきた

  • 2

    高いIQは心理・生理学的に危険――米研究

  • 3

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘――中国の日本人経営者が語る

  • 4

    キャノーラ油で認知症が悪化する──米研究

  • 5

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 6

    ビットコインのために自宅を担保にするバカ、米当局…

  • 7

    小さな飛行士が壮大な宇宙の旅に

  • 8

    EVとAIで人気のテスラ ささやかれる「自動車製造を…

  • 9

    犬が「噛む」のはワケがある 

  • 10

    料理は科学!スクランブルエッグは空気と塩でこんな…

  • 1

    金正恩を倒すための「斬首部隊」に自爆ドローンを装備

  • 2

    「ICBM発射映像に炎に包まれる兵士」金正恩が目撃しながら大喜びか

  • 3

    北朝鮮外務省が声明「戦争勃発は不可避、問題はいつ起きるかだ」

  • 4

    推定500歳!地上で最古の脊椎動物はガリレオの時代か…

  • 5

    EVとAIで人気のテスラ ささやかれる「自動車製造を…

  • 6

    2017年は中流でもビットコインを買える最後の年にな…

  • 7

    キャノーラ油で認知症が悪化する──米研究

  • 8

    中国軍駐留で北朝鮮の非核化を

  • 9

    高いIQは心理・生理学的に危険――米研究

  • 10

    犬が「噛む」のはワケがある 

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 3

    北朝鮮「亡命兵士」の命を脅かす寄生虫の恐怖

  • 4

    金正恩を倒すための「斬首部隊」に自爆ドローンを装備

  • 5

    米朝戦争になったら勝つのはどっち?

  • 6

    「ICBM発射映像に炎に包まれる兵士」金正恩が目撃し…

  • 7

    「英王室はそれでも黒人プリンセスを認めない」

  • 8

    北朝鮮外務省が声明「戦争勃発は不可避、問題はいつ…

  • 9

    「セックスしている子もいるけど私はしたくない」 …

  • 10

    推定500歳!地上で最古の脊椎動物はガリレオの時代か…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

胎内のような、安心感のなかでイマジネーションを膨らませる。
日本再発見 シーズン2
ニューズウィーク日本版デザイナー募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年12月
  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月