最新記事

米政権

トランプの「嘘」まとめ第2弾(テロ、世論調査、殺人ほか)

2017年2月10日(金)11時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

(1のおまけ)ボーリンググリーンの虐殺を無視した!

テロがらみの「嘘」といえば、こちらも驚きだった。大統領顧問のケリーアン・コンウェイが2月2日、入国禁止令を擁護するために、誰も聞いたことのないテロ事件を持ち出したのだ。

MSNBCのインタビューでコンウェイは、2人のイラク人難民が起こした「ボーリンググリーンの虐殺」をきっかけにオバマ前政権が難民受け入れを6カ月間中断したのに、メディアはそれを報じなかったと説明した。

しかし、これが架空の事件であることはすぐにバレた。スレートによれば、彼女が言及したのは、ケンタッキー州ボーリンググリーンで2人のイラク人難民がイラクのテロ組織に資金と武器を送ろうとして逮捕された事件。彼らがアメリカ国内でテロを起こしたわけではない。

コンウェイはその後、「言い間違いだった」と弁明したが、一度の言い間違いではなく、以前にもメディアで「ボーリンググリーンの虐殺」と発言していたことが指摘されている。

(2)否定的な世論調査はフェイクニュースだ!

2月6日、トランプはこうツイートした。

「否定的な世論調査はすべてフェイクニュースだ。選挙期間中のCNN、ABC、NBCの世論調査と同じ。悪いが、国民は国境警備ときわめて厳しい入国審査を求めている」

入国禁止の大統領令に否定的な世論調査が出たことに対する反応だった。調査会社ギャラップによれば、55%が反対、42%が賛成(2日発表)。CNN/ORCの世論調査では、53%が反対、47%が賛成と答えている(3日発表)。

その一方、1月31日にロイターが発表した世論調査では、41%が反対、49%が賛成と、賛成が上回った。Morning Consult/Politicoの世論調査でも同様で、38%が反対、55%が賛成だ(2月2~4日実施、8日発表)。

世論調査は実施機関や手法によって結果に差が出るのが常であり、今回のように世論が二分している問題であればなおさらだ。問題は、トランプが「否定的な世論調査はすべてフェイク」と断定していること。これはもちろん、事実ではない乱暴な言いがかりである。

とはいえ、トランプの大統領選勝利を予想した世論調査はほとんどなく、世論調査への信頼度が低下している現状で、乱暴な嘘とはいえ、この訴えはトランプ支持者の胸に響いただろう。

(3)殺人発生率が過去45年で最も高い!

メディアを敵視した「嘘」は他にもある。2月7日にトランプは、ホワイトハウスで開かれた保安官たちとの会合でこんな話を披露した。

「演説でこの話をすると誰もが驚くのだが、それはメディアがその通りに伝えてこなかったから。殺人発生率がここ45年か47年の間で最も高いと言うのは、彼らにとって都合がよくないのだろう」

しかし、FBIの統計によれば、現在の犯罪率はむしろ歴史上最も低い水準だと、CBSニュースなどが反証している。最新の2015年の殺人発生率は10万人あたり推定4.9人で、例えば1980年の10.2人と比べても格段に低いという。

ニュース速報

ワールド

北朝鮮、米本土に到達可能な弾道ミサイルを年内に開発

ワールド

豪経済、適度なペースで拡大へ 金融・財政支援の継続

ワールド

OPEC目標下回るベネズエラの産油量、イラクなどが

ビジネス

ドル112円付近で底堅い、安倍首相の発言には反応薄

MAGAZINE

特集:ビットコイン 可能性と危険性

2017-11・21号(11/14発売)

高騰を続け、今や1000種類以上に増えた仮想通貨 未来を変え得る新技術のリスクとメリットを真剣に考える

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮「亡命兵士」の命を脅かす寄生虫の恐怖

  • 3

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 4

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 5

    20年以内に、人々の主要なタンパク源は昆虫になる──…

  • 6

    サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は…

  • 7

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない…

  • 8

    制作に200億投資、爆走アベマTVは「稼げるメディア」…

  • 9

    女性が怯えて生きるインドのおぞましい現実

  • 10

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 3

    北朝鮮「亡命兵士」の命を脅かす寄生虫の恐怖

  • 4

    「セックスしている子もいるけど私はしたくない」 …

  • 5

    サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は…

  • 6

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 7

    飛び級を許さない日本の悪しき年齢主義

  • 8

    日中首脳会談、習近平はなぜ笑顔だったのか

  • 9

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 10

    体臭とセックスアピールの意外な関係

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮の電磁パルス攻撃で「アメリカ国民90%死亡」――専門家が警告

  • 3

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 4

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 5

    北朝鮮「亡命兵士」の命を脅かす寄生虫の恐怖

  • 6

    人はロボットともセックスしたい──報告書

  • 7

    北朝鮮経済の「心臓」を病んだ金正恩─電力不足で節約…

  • 8

    生理の血は青くない──業界のタブーを破った英CMの過…

  • 9

    国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料ま…

  • 10

    トランプは宣戦布告もせず北朝鮮を攻撃しかねない

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月