最新記事

テロ

アメリカでのISIS関連事件、主流は「一匹狼」よりチームタイプ

2016年6月17日(金)19時21分

 連邦捜査局(FBI)のコミー長官は、マティーン容疑者の真の動機は依然として明らかではないが、外国のテロリストグループに刺激されたと見られる有力な兆候が見られ、同容疑者の過激化の一因はインターネット上にあることを関係当局が「強く確信」していると話している。

集団のダイナミズム

 法執行機関によるホームグロウン(自国育ち)の過激主義対策の取り組みでは、集団のダイナミズムに対する関心が強まっている。ニューヨークで開催されたテロ対策に関する会議で、コミー長官は、過激化した可能性のある個人がネット上で目立った動きを見せていない場合、捜査官がそうした個人を特定するには、家族や友人たちの協力が必要になる、と述べている。

 「外出して、小人数のグループと接触するとしたら、その姿を目にするのは誰か。同じコミュニティの人々だ」と同長官は言う。

 2月、FBIは新たなウェブサイトを立ち上げた。ティーンエイジ世代の若者に過激主義の危険性を教え、親やコミュニティの有力者に、若者の問題行動に関して介入や通報のタイミングを判断する一助とすることが狙いだ。

 司法省は、IS関連の事件90件のうち、約半数で有罪判決を勝ち取っている。それ以外の事件はまだ審理中であり、罪状の一部については法廷で立証されておらず、被告側から異議が申し立てられている。

 共犯者間の関係は、ちょっとした知り合い程度から大の親友、夫婦やいとこ、ルームメイトから大学の同級生まで、多種多様である。

 いくつかの事件では、そうしたグループに、同一のコミュニティ出身の被告が複数含まれている。たとえば、ミネソタ州で行われた広域捜査では、ソマリア系米国人10人がIS支援を計画した容疑で告発されている。そのうち3人は今月行われた公判で有罪判決を受け、他にも6人が罪状を認めている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年1月以来の低水準

ワールド

アングル:コロナの次は熱波、比で再びオンライン授業

ワールド

アングル:五輪前に取り締まり強化、人であふれかえる

ビジネス

訂正-米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中