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能力が低いから昇進できない、という人はめったにいない

2016年5月10日(火)17時22分

 ミレニアル世代を考えてみよう。メールのやりとりでコミュニケーションをとるのが得意な世代だ。彼らにとってメールやSMS(ショートメッセージ)は直接会うことと同じ重要性を持っている。ところが、一般的なベビーブーマーはそうではない。彼らにとっては直接会うことのほうが重みがあり、メールやSMSよりもはるかに重要だ。

 ここで重要な指摘をしておきたい。書くときも話すときも正しい文法を使おうということだ。今さら言うまでもないことだが、(笑)のような記号や顔文字、略語、その他インターネットやスマホのスラングが氾濫している今だからこそ、言っておくべきだと思う。ビジネスのミーティングやプレゼンテーション、メモやメールで、友人宛のメッセージのように文法を無視したり、話し言葉や誤字、略語を使えば、社会人失格と思われてもしかたがないのだ。間違いなく、相手の聞く気や読む気をそいでしまうだろう。こうした悪い習慣は案外目立ち、相手はメッセージの真意よりも、あなたの犯したミスのほうに気を取られてしまうはずだ。

 コミュニケーションの上手な人は、伝えたい内容だけを考えるのではなく、受け手とその人の好みまで考えるものだ。あなたの上司がベビーブーマーなら、重要なメッセージはメールよりも直に会って伝えるほうがはるかに効果的だ。上司が隣のオフィスにいるなら、メールを送ってはいけない! 席を立ち、ドアをノックして顔を見せ、会話をしよう。もちろん、上司がメールのほうを好むなら、メールをすればいい。

 また誰でもスマホをチェックせずにはいられない時代ではあるが、仕事の打ち合わせ中にメールなどをチェックするのは失礼だ。若いビジネスパーソンはよくこれをやっている。採用面接中に電話に出た応募者までいたのだ! 言うまでもなく、その応募者は不採用となった。

 同僚や自分より上の人が、会議での発言や会話でいったん言葉を切ったからといって、自分のスマホに目をやってはいけない。何も言わなくても、あなたが相手の話を熱心に聞いていないことは言外に伝わる。あなたの人間関係貯金も、あなたに対する他人の認識も、あっという間に崩れていくのだ。

 誰かと会話をするときは、会話が終わるまで話している相手の顔を見て、積極的に会話に加わり、適切に反応することだ。相手がベビーブーマーや伝統主義者なら絶対にそうしよう。あなたが口にすることは、効果的なコミュニケーションという等式の一方の辺でしかない。他方の辺では、相手があなたのメッセージをもれなく確実に受け取っていることが必要になる。

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