ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮小

2025年05月03日(土)06時16分

ニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[ニューヨーク 2日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。ただ、2日発表された米雇用統計で雇用者数が予想を上回る伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)が夏ごろまで利下げを再開しないという市場の見方を裏付ける内容となったことを受け、円やユーロに対し下げ幅を縮小した。

4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から17万7000人増加。エコノミスト予想の13万人増を上回った。失業率は4.2%と前月から横ばいで、予想と一致した。

トランプ米大統領が大規模な関税措置を掲げる中でも労働市場が底堅く推移していると確認されたことを受け、金融市場が見込むFRBの利下げ再開時期が6月から7月に後ずれした。金融市場が織り込む6月利下げの確率は35.6%と、雇用統計発表前の約58%から低下した。

グレンミードの投資・調査・戦略責任者、ジェイソン・プライド氏は、雇用統計を受け、「FRBは年内の利下げに対しより忍耐強い姿勢を取ることが可能になるだろう」と指摘。「関税措置によるスタグフレーションリスクに直面する中、FRBは停滞とインフレのどちらが今後の見通しにとってより大きなリスクかをリアルタイムで見極めようとしている。労働市場の健全性が続いていることは、経済がすぐに崩壊するような状況ではないという安心感をFRBに与え、関税がインフレに与える影響を評価するための時間的余裕が生まれるだろう」と述べた。

ドル/円は下落したものの、下げ幅を縮小し、終盤の取引では0.3%安の145.05円。しかし週足では、ドルは2週連続で上昇する見込み。

ユーロ/ドルは上げ幅を縮小し、0.3%高の1.1326ドル近辺で推移。ユーロは週間では0.5%値下がりし、3月半ば以来最大の下げを記録した。

ポンド/ドルは横ばいの1.3280ドル。週間では、ポンドは0.3%下落し、2月終盤以来最大の下げとなった。

関税を巡るニュースも注目された。

ルビオ米国務長官は1日、FOXニュースの番組で、中国が通商交渉を望んでおり、協議が近いうちに行われるだろうと語った。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2日、中国が合成麻薬フェンタニルの米国流入を巡るトランプ政権の懸念に対応する方策を検討していると報じ、貿易交渉開始に向けた手がかりを模索している可能性を示唆した。

ドル/円 NY終値 144.93/144.98

始値 144.66

高値 145.08

安値 143.74

ユーロ/ドル NY終値 1.1295/1.1297

始値 1.1331

高値 1.1380

安値 1.1293

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日本との関税協議「率直かつ建設的」、米財務省が声明

ワールド

アングル:留学生に広がる不安、ビザ取り消しに直面す

ワールド

トランプ政権、予算教書を公表 国防以外で1630億

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見...「ペットとの温かい絆」とは言えない事情が
  • 3
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 6
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 7
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    なぜ運動で寿命が延びるのか?...ホルミシスと「タン…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 10
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中