NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮小

ニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[ニューヨーク 2日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。ただ、2日発表された米雇用統計で雇用者数が予想を上回る伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)が夏ごろまで利下げを再開しないという市場の見方を裏付ける内容となったことを受け、円やユーロに対し下げ幅を縮小した。
4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から17万7000人増加。エコノミスト予想の13万人増を上回った。失業率は4.2%と前月から横ばいで、予想と一致した。
トランプ米大統領が大規模な関税措置を掲げる中でも労働市場が底堅く推移していると確認されたことを受け、金融市場が見込むFRBの利下げ再開時期が6月から7月に後ずれした。金融市場が織り込む6月利下げの確率は35.6%と、雇用統計発表前の約58%から低下した。
グレンミードの投資・調査・戦略責任者、ジェイソン・プライド氏は、雇用統計を受け、「FRBは年内の利下げに対しより忍耐強い姿勢を取ることが可能になるだろう」と指摘。「関税措置によるスタグフレーションリスクに直面する中、FRBは停滞とインフレのどちらが今後の見通しにとってより大きなリスクかをリアルタイムで見極めようとしている。労働市場の健全性が続いていることは、経済がすぐに崩壊するような状況ではないという安心感をFRBに与え、関税がインフレに与える影響を評価するための時間的余裕が生まれるだろう」と述べた。
ドル/円は下落したものの、下げ幅を縮小し、終盤の取引では0.3%安の145.05円。しかし週足では、ドルは2週連続で上昇する見込み。
ユーロ/ドルは上げ幅を縮小し、0.3%高の1.1326ドル近辺で推移。ユーロは週間では0.5%値下がりし、3月半ば以来最大の下げを記録した。
ポンド/ドルは横ばいの1.3280ドル。週間では、ポンドは0.3%下落し、2月終盤以来最大の下げとなった。
関税を巡るニュースも注目された。
ルビオ米国務長官は1日、FOXニュースの番組で、中国が通商交渉を望んでおり、協議が近いうちに行われるだろうと語った。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2日、中国が合成麻薬フェンタニルの米国流入を巡るトランプ政権の懸念に対応する方策を検討していると報じ、貿易交渉開始に向けた手がかりを模索している可能性を示唆した。
ドル/円 NY終値 144.93/144.98
始値 144.66
高値 145.08
安値 143.74
ユーロ/ドル NY終値 1.1295/1.1297
始値 1.1331
高値 1.1380
安値 1.1293