最新記事

英王室

30年前ダイアナに託した夢が遂に叶う

2011年4月26日(火)16時09分
マイケル・ゴールドファーブ

 結婚式へのカウントダウンが進む中、ビッグイベントに付き物のドタバタも起きている。ロンドン各地で、この機に乗じた小規模のデモが勃発。王室支持派の新聞各紙は、2人の結婚を祝して乾杯するよう読者に呼びかける一方で、結婚式の費用をめぐって批判を繰り広げている。

 デービッド・キャメロン英首相は、上流気取りの印象を与えたくないという政治的な思惑のため、フォーマルなモーニングでなくビジネススーツで結婚式に出席する方針を明かした。だが、キャメロン率いる保守党を支持するメディアがこぞって訴えたように、そもそもキャメロンは上流階級の人間だ。結局、彼はモーニングで列席することになった。

チャールズを飛ばしてウィリアムに、と世論

 世界大恐慌のとき以来の深刻な緊縮財政の渦中にあるイギリス国民は、大英帝国に今も「偉大」なものが存在することを示せる今回のウエディングを歓迎しているようだ。英王室が世界に対して抜群のアピール力をもつことを国民は理解している。当然ながら、ロイヤルウエディングに乗じて関連グッズを売り込む動きも過熱している。

 母親そっくりのウィリアム王子への支持も高まっている。ダイアナが亡くなった当時、ウィリアムは父親のチャールズ皇太子をはるかに凌ぐ絶大な人気を集めていた。

 折りしも先週、チャールズの皇太子在任期間が史上最長を記録。彼は59年と2カ月間も王位継承の日を待ち続けているが、エリザベス女王の優れた健康状態を考えれば、待ち時間はさらに長く続くと思われる。それでも世論調査では、チャールズを飛ばしてウィリアムに直接、王位を継承すべきだという声は根強い。

 ウィリアムの国王就任の現実味も以前より高まっている。「王室が長期的に存続することへの肯定的な見方が増えている」と、ブーンは言う。「100年後に王室があると思うかという質問にイエスと答える人が、かつてないほど多い」

 これぞ、30年前の仲人たちが夢見たシナリオだ。

GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中