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対談

ツイッターが変える日中の未来(2)

2010年11月4日(木)14時26分

津田:僕はツイッターの布教活動のようなことをやっているんですが、日本のオールドメディアの記者でも、実名でツイッターをやって何万人もフォロワーがつく人も出始めています。地方レベルですが、ツイッターを使って記事の作成過程をリアルタイムで公開した朝日新聞のようなメディアもある。

僕のフォロワーは今8万7000人ほどなんですが、イベントでツイッター中継をやってほしい、という仕事の依頼も来るようになりました。情報のテコじゃないですが、ツイッターによって日本の現状もちょっとずつ変わり始めています。この動きは大事にしたい。

安替:すごくいいことだと思います。アメリカにサンライト財団という組織があるのですが、この組織は議員1人1人にツイッターアカウントをもたせて、どの議員がツイッターを使っているかチェックしています。アメリカの議員は有名じゃないとメディアに取り上げてもらえないので、議員はツイッターを使って有権者と交流している。

われわれはツイッターのような新メディアをうまく使っている政治家のランキングをつくるべきです。そうすれば、政治家たちも「これは大事だ」と思うようになる。われわれは自分たちでニュースを作るべきなのです。そして彼らを新しいメディアの中に取り込んで行く。

津田:いいですね、やりますよ。

安替:ツイッターは行動する人たちの背中を押してあげることのできるメディアだと思います。

津田:確かにツイッターのいいところは、感情に働きかけて人の背中を押してあげるところ。それを強く感じます。

*第3回(最終回)はこちら


[安替]
1975年南京生まれ。南京師範大学卒。コンピュータープログラマーを経て新聞記者に。03年、「21世紀環球報道」紙の特派員としてイラク戦争を取材。その後「ニューヨーク・タイムズ」紙北京支局リサーチャーなどを経てブロガー、「南方都市報」コラムニスト。日本の国際交流基金の招きで今年10月から2カ月間日本に滞在中。@mranti

[津田大介]
メディアジャーナリスト。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。大学在学中からIT・ネットカルチャーの分野で執筆活動を開始。09年著書『Twitter社会論』刊行。現在は早稲田大学大学院でネットジャーナリズムの授業も教えている。ツイッターでイベントを生中継することを意味する「tsudaる」の語源でもある。@tsuda

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