「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin-Winな未来像である理由
業界関係者によると、長期的な選択肢の一つとして、「エネルギーパーク」を建設し、データセンターを新たな再生可能エネルギー開発に接続する方法がある。非常時には電力網を利用するものの、これは比較的新しい考え方だ。
エンジーは、再生可能エネルギーと蓄電池の設置容量を、現在の52.7ギガワットから2030年までにほぼ倍増させたい考えだ。同社のデータセンター事業を統括するセバスチャン・アルボラ氏によると、同社は世界各地で転換可能な石炭火力発電所やガス火力発電所など40カ所を特定し、データセンター開発業者に売り込んでいる。
その一つは、2017年に閉鎖されたオーストラリアのヘーゼルウッド石炭火力発電所だ。他の発電所については、ほとんどが欧州にあること以外の詳細を明かさなかった。
ポルトガルのEDP、フランス電力(EDF)、エネルなども、新しいデータセンター開発向けに古いガス・石炭火力発電所を売り込んでいると述べた。
「これはビジネスモデルの多角化だ」とコンサルティング会社アーサー・D・リトルのマネージングパートナー、マイケル・クルーズ氏は述べ、電力会社は新たなタイプのビジネスと新たな収入源を生み出していると話した。
<スピード・トゥ・パワー>
テック企業にとっての魅力は、スピードだ。
欧州では送電網に接続できるまでに10年以上かかる場合があるが、発電所を再利用すれば電力と水により迅速に接続できる可能性がある。
「実際に、より速く動けるチャンスがある」とマイクロソフトのホリス氏は語った。