「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin-Winな未来像である理由
シナジー・リサーチ・グループのデータによれば、欧州のデータセンターの容量は、送電網に接続するまで時間がかかり、許認可にも時間がかかるので、米国やアジアに比べて大幅に低い。
データセンター運営者は、必要な再生可能エネルギー電力を長期契約の形で電力会社から直接購入するか、電力市場から購入するかを選択できる。
不動産会社JLLは、ドイツの元石炭火力発電所を利用した2.5GW(ギガワット)のデータセンターや、大手テック企業向けの英国内4カ所の施設など、複数の転換プロジェクトに取り組んでいるという。
英発電会社ドラックスは、ヨークシャーにある古い石炭火力発電所の未使用部分(現在は一部バイオマス発電に転換済み)の開発パートナーを探している。同社の炭素プログラムディレクター、リチャード・グウィリアム氏によると、未使用の水冷設備へのアクセスも提供するという。
ドラックスは、発電所がデータセンターに直接電力を供給し、必要に応じて電力網から電力を引き込むことができる「ビハインド・ザ・メーター」契約を提供している。
EDFも、仏中部と東部のガス火力発電所2カ所の開発業者を選定した。
S&Pグローバル・コモディティ・インサイツの調査ディレクター、サム・ハンティントン氏は、テック企業は急成長する業界で市場シェアを争っており、より早く立ち上げられるプロジェクトにはより多くの資金を払う用意があると述べた。
「『スピードをパワーに』というフレーズを、しょっちゅう耳にするようになった」と、同氏は語った。


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