人間の脳は「屋根裏部屋」...大量の情報をインプットするための、シャーロック・ホームズ流「記憶術」とは?

2025年9月8日(月)16時49分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ルートが完成すれば、記憶する情報のリストが増えるたびに、同じルートを繰り返し利用することができる。

覚えるアイテムが部屋の数よりも多い場合は、移動する際に、各部屋に置かれた物にも目を向けるようにする。たとえば、キッチンに1つのアイテムを結びつけるのではなく、冷蔵庫、テーブル、トースター、シンクも思い浮かべる。そうすれば、さらに4アイテムを追加できる。

ルートの途中にある見慣れた物を「メモリーペグ」(記憶の掛け釘)という。その釘に、覚えたいものを1つずつ掛けていくのだ。

たとえば、買い物に行こうとしたときにペンが見つからず、買い物リストを頭にたたきこまなければならないとしよう。そんなときは、リストの1番目の牛乳を玄関前の階段に置く。2番目の新聞は、うまい具合に郵便受けに差しこむ。次の卵は、花瓶の代わりにリビングのマントルピースの上に置く。

一方で、買うつもりのシャツは居間の窓枠に掛かっている。本当ならカーテンが吊るされている場所だ。記憶の宮殿の中では、リアリティに欠けていても問題ない。むしろ、現実にはあり得ないイメージのほうが記憶に残る。

このテクニックは、使えば使うほど、覚えられる数も増える。この方法で何百ものアイテムを思い出せると豪語するスペシャリストもいるほどだ。

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