最新記事
脂肪肝

脂肪肝を進める意外な落とし穴...医師が語る「お酒より危険な飲み物」とは?

2025年5月22日(木)14時51分
栗原 毅(栗原クリニック東京・日本橋医院長)*東洋経済オンラインからの転載

ケース6 夕方、仕事でもうひと踏ん張りしたいときはエナジードリンクを飲む

疲れたときにもうひとがんばりというときのためのエナジードリンク。しかし、これにも相当な量の糖分が含まれています。カフェインも含まれているため、糖質の脂肪化が進みやすく、肝臓に負担をかけやすいのです。疲れてはいても、あまり頼りにしすぎないほうがいいでしょう。


ケース7 健康のため、晩酌をやめてジュースを飲むことにした

「アルコールは肝臓によくないだろうから、晩酌をやめてジュースを飲むようにしよう」という決断をした結果、前よりも肝機能を悪化させてしまったという患者さんもいます。果糖ブドウ糖液糖の習慣的摂取は、ときとしてアルコールよりも肝臓を疲弊させることにつながるのです。

ケース8 夕食のときにいつも「甘いサワー」を飲んでいる

「アルコール度数が低ければ問題ないだろう」という思いからか、毎日の夕食時に「ジュースのように甘いサワー」を飲んでいる人も多いようです。でも、問題なのは「アルコール度数」よりも「糖分量」。習慣的に飲んでいたら、着実に脂肪肝が進んでしまうことになります。

ケース9 夜、寝る前にはちみつ入りのホットミルクを飲む

寝る前にホットミルクを飲むとぐっすり眠れるそうです。しかし、はちみつや砂糖を加えて甘くしたものを飲むのはおすすめできません。夜遅い時間に糖分を摂取すると、変換された脂肪が肝臓に蓄えられやすくなるのです。肝臓の健康からすれば、これも「悪しき習慣」ということになります。

糖尿病や動脈硬化を招くことに

いかがでしょう。このように、脂肪肝や肥満になった原因をよくよく追求してみたら、「朝昼晩、何気なく口にしていた甘い飲み物が原因だった」という人がとても大勢いるのです。

たぶん、みなさんの中にも1~9のケースと同じことをやっていた方が多いでしょうが、こうした習慣を変えずにいると、脂肪肝が進行するのはもちろん、糖尿病や動脈硬化などの多くの生活習慣病を招き寄せることになってしまいます。

ですから、わたしたちは、まず「甘い飲み物の肝臓へのリスクの大きさ」に気づくべきです。そして、その「コトの重大性」を肝に銘じて、普段の生活で意識して甘い飲みものの摂取を減らすようにしていくべきではないでしょうか。


newsweekjp20250414114145-bef3a1dbb3ec5c21f5c0fd0e3ed79cacade08d17.jpg栗原 毅『肝臓大復活: 100歳まで食・酒を楽しむ「強肝臓」の作り方』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。元記事はこちら
toyokeizai_logo200.jpg

ニューズウィーク日本版 豪ワーホリ残酷物語
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月9日号(9月2日発売)は「豪ワーホリ残酷物語」特集。円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代――オーストラリアで搾取される若者のリアル

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

FRB議長候補、ハセット・ウォーシュ・ウォーラーの

ワールド

アングル:雇用激減するメキシコ国境の町、トランプ関

ビジネス

米国株式市場=小幅安、景気先行き懸念が重し 利下げ

ビジネス

NY外為市場=ドル対主要通貨で下落、軟調な雇用統計
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 5
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 6
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 9
    ハイカーグループに向かってクマ猛ダッシュ、砂塵舞…
  • 10
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 5
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 6
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 7
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 8
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 9
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 10
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にす…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中