最新記事

AI

人類に残される労働は3つだけ Chat GPTが教える「残る仕事・消える仕事」

2023年4月7日(金)12時45分
岡田充弘(クロネコキューブ代表取締役) *PRESIDENT Onlineからの転載
AIの進化で人間が職場から追い出されるイメージイラスト

Chat GPTなどAIの進化で人類の仕事は奪われるのか? lemono - shutterstock


AI技術が進むことで人間の仕事はどう変わるのか。業務改善のコンサルティングを行う岡田充弘さんは「私はこれまで講演先などで『人間がする仕事は、改善、創造、交渉、しかなくなる』と言い続けてきたのですが、まさにその状態が急速に現実化しようとしています」という――。


2022年12月に米のオープンAI社が公開した対話型AIを活用したインターネット検索サービス「Chat GPT(チャットGPT)」が、大きな話題を呼んでいます。なんとなくイメージが思い浮かばない人は、チャットボットの進化版だと思って下さい。

凄いのは話題性だけでなく、利用者が2カ月で1億人を突破するなどその拡散力です。あまりに急速に広まったため、同サービスの実態が正しく理解されておらず、良し悪し様々な噂がたっています。現状だとむしろ不安の声の方が多いかもしれません。

そこで今回は、Chat GPTに人々が期待すべき点と懸念すべき点とを区別した上で、この先消えるであろう仕事、残るであろう仕事について掘り下げていきたいと思います。

消えるのは再現可能な知的労働っぽい仕事

まず多くの人が気になるのはChat GPTによって消える仕事でしょう。自分の仕事が奪われるのではないかと。その問いについては、残念ながら半分は事実です。それは、予想通りになるのが半分、予想外の結果になるのが半分という意味です。

中にはAppleの「Siri」やAmazonの「Alexa」が登場した時くらいに思っている人がいるかもしれませんが、私はChat GPTの影響力はそれらを上回り、また継続的に性能改善されていくと見ています。さらには類似サービスも多数出てくることが予想されるため、産業としては形を変えながらグロース(成長)していくと考える方が自然です。

具体的には、知的労働の比較的ベーシックな部分が置き換わっていくことになります。

例えば、文章作成であれば、「要約」「校正」「文字起こし」などはChat GPTがやってくれるので、インタビュアーや編集者、ライターなどの仕事にも何らか影響を与えるはずです。その影響が、実際に仕事まで奪うのか、それとも仕事を楽にしてくれるかは、その人がカバーする仕事の範囲やレベルにもよるでしょう。言われたことだけやるような、単純な作業に甘んじている人であれば、とって変わられる可能性は高いと言えます。

問い合わせや受付業務は置き換えられていく

また、プログラミング領域におけるコーディング作業についても得意領域なので、世の中のノンコードの流れと合わせて、利用用途として加速する可能性は大きいでしょう。

これにより、コーダーと言われるプログラムを書く人の仕事は置き換え可能になるため、言われたことを単純にコード化するだけの人は、仕事が減っていくでしょう。如何にその人なりの付加価値を出せるかが問われます。厳しい世界ですね。

さらには、現在でもチャットボットの形でサービスは存在しますが、今後ますますお問い合わせや受付業務などは、置き換えられていくことでしょう。特にコールセンターや店舗窓口などでは、この人口減社会においては率先して導入せざるをえないでしょう。また、これまではパソコン画面やスマホ画面でのやりとりが主体でしたが、今後は街角に設置されたサイネージ上での利用も広がっていくことが予想できます。これにより、デパートや商業施設、ホテルなどで受付案内の職に従事されている方々にも、何らか影響があるかもしれません。


【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:中国の住宅買い換えキャンペーン、中古物件

ワールド

北朝鮮の金総書記、新誘導技術搭載の弾道ミサイル実験

ワールド

アフガン中部で銃撃、外国人ら4人死亡 3人はスペイ

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、25年に2%目標まで低下へ=E
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中