【銘柄】熊谷組の株価はなぜか12月に上がる...年末高と高市銘柄で今年はどうなる?
熊谷組は「変革期」を迎えている
熊谷組は長年、収益性の低さが課題となってきました。しかし今、大きな転換点を迎えつつあります。
収益性低下の要因となっていたのは、資材高騰前に受注した低採算の工事です。これが一巡し、今期(2026年3月期)以降は、採算性の高い案件が本格的に業績を牽引する可能性が高まっています。これにより、利益率が大きくV字回復する見通しが立ってきたのです。
今期の経常利益は、前期比59.6%増の230億円という予想。売上営業利益率は4.62%まで改善を見込んでおり、これを達成できれば市場の評価も大きく変わるでしょう。
11月13日に発表された中間決算では、上期の経常利益が前年同期比6.1倍に拡大。直近3か月(7~9月)の売上営業利益率は、前年同期の0.67%から4.57%へと大幅に改善しました。会社計画の進捗も順調で、市場では「利益回復を織り込み始めた」という見方が強まっています。
成長ドライバーと高市銘柄としての期待
そんな熊谷組の成長ドライバーと期待されているのが、中期事業計画(2024~2026年度)で400億円を投じる不動産開発や、再生可能エネルギーなどの周辺事業です。
不動産事業では、都市開発や賃貸収益の積み上げによる安定収入源の確立を進めています。一方、再生可能エネルギーでは太陽光発電など多角的に展開し、特に国策と連動しやすい洋上風力は将来的にポテンシャルの高い分野として位置付けられています。
また、住友林業との協業による中大規模木造建築市場の開拓や海外不動産開発といった新領域も、両者の強みを生かしたシナジー創出として新たな成長機会を生みつつあります。
加えて、熊谷組はいわゆる「高市銘柄」としても注目度が高まっています。
10月に発足した高市政権は「国土強靭化」「エネルギー安全保障」「経済安保」を重点政策に掲げています。土木・トンネル・防災といった熊谷組のコア領域は、こうした国策の中心にあり、まさに「高市銘柄」の中核として期待されているのです。





