【銘柄】熊谷組の株価はなぜか12月に上がる...年末高と高市銘柄で今年はどうなる?
12月に強い実力銘柄の代表格である熊谷組 IgorGolovniov-shutterstock
<株式相場には、その月ごとに「強い銘柄」がある。12月に強い実力銘柄の代表格が、熊谷組。なぜ12月に株価が上がるのか? その理由と、今12月の株価の行方を展望する>
青函トンネルに関門トンネル、現在ではリニア中央新幹線のトンネルも──。多くの最難関工事を手がけてきたことから、業界では「トンネルの熊さん」として知られる熊谷組<1861>。土木工事に強みを持つ準大手ゼネコンで、株式相場では「12月に強い銘柄」として知られています。
12月の勝敗(前月の終値と当月の終値を比較して上昇しているか、下落しているか)を見てみると、過去10年の成績は9勝1敗となっており、極めて高い勝率です(同時期の日経平均株価は6勝4敗)。

熊谷組が12月に強い理由
熊谷組の株価が12月に上がりやすい背景には、11月中旬に発表される中間決算と、12月特有の相場の季節性があります。
熊谷組は例年11月中旬に中間決算を発表しますが、そこでサプライズが出やすいのが特徴です。
というのも、大手ゼネコンは通期の業績が安定していますが、熊谷組のような準大手は当面の工事の状況や完成工事の利益率によって業績が左右されやすいからです。そのため、株価に対する評価を見直して買いに向かう動きが出て、それが12月まで続くのです。
また、「建設株は12月に強い」というアノマリー(経験則のようなもの)もあります。
補正予算の閣議決定や公共事業の拡大を巡る国会審議が12月から年明けに本格化するため、こうした政策の恩恵を直接的に受ける建設株への期待が高まります。さらには、年度末に向けて工事が前倒しになるのでは、といった観測も相まって買いが重なるのです。
ここに、機関投資家によるポジション調整のための買いや、年末ラリーに参戦する個人投資家の買いも加わって、株価が上昇しやすくなるわけです。






