『イカゲーム』から『ハンガー・ゲーム』まで...なぜ現代人は「デスゲーム」作品に夢中になるのか?
'The Running Man' to 'Squid Game'—Why We're All Obsessed With Death Games

Sung Jin Cho-Unsplash
<娯楽としてすっかり定着した「デスゲーム」系作品。なぜこれほどまでに愛されるのか。「デスゲーム」の本質とは?──>
今年11月の公開を前に映画『バトルランナー(The Running Man)』のリメイク版『ランニング・マン』の予告編が話題を呼ぶなか、いわゆる「デスゲーム・ショー」はミレニアル世代やZ世代を中心に人々の想像力を掻き立て続けている。
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ネットフリックス(Netflix)で記録的ヒットとなった『イカゲーム(오징어 게임)』や『ハンガー・ゲーム(The Hunger Games)』の根強い人気は、生存を娯楽に変えるディストピア的スペクタクルへの尽きない関心を示す。
スティーブン・キングの1982年の小説を原作とする新たな『バトルランナー』の映画化は、名声や富、スペクタクルのために人間の命を賭ける物語の系譜に連なる。
専門家によれば、こうした作品は資本主義や権威主義を批判する枠組みを取りながら、デジタル監視の強化、所得格差、社会的な断絶が進む時代にメインストリームの娯楽として定着している。
「暴力そのものへの本能的な興味もあるが、より大きな要因は、多くの人が抱く疎外感の高まりだろう」と、マディソン・パーク・サイコセラピー創設者で心理療法士のジョーダン・コンラッドは本誌に語っている。
オックスフォード・ハンドブックへの寄稿歴もある哲学者のコンラッドは、このジャンルの根強い人気は「数値」が「意味や目的」よりも重視されるシステムの中で、多くの人が感じる「人間性の剥奪」を映し出していると指摘する。