最新記事

建築

都心に現存する奇跡の建築、東京都庭園美術館の美

2022年6月29日(水)11時30分
※TOKYO UPDATESより転載

2022年の建築公開展では旧朝香宮邸である本館と2014年にオープンした新館で、『アール・デコの貴重書』と題した企画も併せて実施。吉田奈緒子学芸員はこう語る。

「長年にわたる研究調査の一環として収集してきた、アール・デコ博覧会に関する資料やフランスの装飾関連図書のほか、朝香宮夫妻のフランス滞在中の受領證綴や朝香宮家の日誌など200点以上を展示します。本館では各室に貴重書を配し、建物と貴重書のデザインとがコラボレーションするような展示を意図しました」

現在に至るまで内部の改造はごくわずかにとどめられ、守り抜かれてきた唯一無二のアール・デコ建築。その空間が醸し出す雰囲気を味わい、改めてその美しさを堪能したい。

tokyoupdates220629_11.jpg

東京都庭園美術館本館(旧朝香宮邸)外観。外観はモダニズム建築様式に影響を受けた近代的なスタイルが特徴。建物の南面には広大な芝庭と日本庭園、西洋庭園が続く。

tokyoupdates220629_12.jpg

現代美術作家の杉本博司をアドバイザーに迎え、2014年にオープンした新館。大規模な展示が可能になり、本館・新館を合わせた多様な企画展が催されている。


東京都庭園美術館

住所:東京都港区白金台5-21-9
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://www.teien-art-museum.ne.jp

※2022年の建物公開展は4月23日~6月12日に開催、終了しました。

取材・文/佐藤季代
写真提供/東京都庭園美術館

※当記事は「TOKYO UPDATES」からの転載記事です。
logo_tokyoupdates.png

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

アストラゼネカ、30年までに売上高800億ドル 2

ビジネス

正のインフレ率での賃金・物価上昇、政策余地広がる=

ビジネス

IMF、英国の総選挙前減税に警鐘 成長予想は引き上

ワールド

シンガポール航空機かバンコクに緊急着陸、乱気流で乗
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    9年前と今で何も変わらない...ゼンデイヤの「卒アル…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 9

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中