最新記事
ビジネス

フジテレビ、「ダルトンとの戦い」で露呈した「世界基準ではあり得ない」もう1つの問題点

2025年8月20日(水)19時12分
山﨑卓馬(クロール日本支社長)
フジテレビ騒動で露呈した経営上の問題点

Sean Pavone/Shutterstock

<フジテレビ騒動を企業経営の観点から見ると、アクティビスト(物言う株主)であるダルトンとの争いにおいて海外先進国では当たり前となっているものが欠けていた>

最近、日本で大きな話題になったフジテレビ問題。中居正広氏のスキャンダルに端を発したこの騒動は、フジテレビの親会社「フジ・メディア・ホールディングス」に対して、大株主の米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが新たな取締役候補を提案するところまで発展した。結果的にこの提案は却下されたが、日本のビジネスパーソンに注目された。

このケースでは、ダルトン・インベストメンツというアクティビスト(物言う株主)が登場したが、企業インテリジェンスを活用すれば、フジ側を裏から支援することができただろう。

例えばアクティビストの金主の把握、過去の投資の失敗事例とその背景の調査、アクティビストの提案事項に問題点がないかの理解、アクティビストが推薦する取締役の弱みの把握、などである。企業がこうした危機に直面した場合、「企業インテリジェンス」がその真価を発揮するというのは、海外先進国では当たり前に知られている。

筆者もこうしたケースを取り扱ったことはこれまで何度もあるが、現状、日本企業はアクティビストと戦うが、実際には企業インテリジェンスが弱いために、その部分は周回遅れになっている。企業インテリジェンスでは、狙われた側の守りを固めるため、アクティビストの動向や実態、弱点すら徹底して調べて戦略を立てるインテリジェンス(分析情報)を提供できる。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 3
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過去最高水準に
  • 4
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 7
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 8
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 10
    ビーチを楽しむ観光客のもとにサメの大群...ショッキ…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 10
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中