米ウォール街では、「トランプ大統領が推進する関税政策が長期的な貿易戦争に発展し、資産価値を毀損(きそん)する」というシナリオには引き続き懐疑的な声が多い。それでも投資家は、関税政策がもたらす経済的悪影響からポートフォリオを守ろうと動き始めている。

トランプ政権はこれまでにメキシコとカナダへの関税実施を1カ月停止した一方、中国向けに追加関税を発動。中国側が早速、報復措置を発表し、投資家は目まぐるしく変わる状況の把握に追い回され市場は揺れ動いた。

 

一部の投資家は、トランプ氏が選挙活動中から約束していた関税実施を見越して、貿易摩擦やより幅広い地政学的な不確実性に左右されにくい資産にシフトし、備えを固めている。

ただ足元の株価収益率(PER)が高騰していることもあり、株式投資とそれが生み出す短期的なボラティリティーにはさらなる警戒が妥当だとの声が出ている。

ノムラ・キャピタル・マネジメントの場合も、株式や他の資産のバリュエーションが限界まで高まってきた事態を踏まえ、ここ数カ月で投資方針をよりディフェンシブな方向に傾けていた。とはいえ、ポートフォリオ運用とクロスアセット戦略責任者を務めるマット・ロウ氏は、関税政策は慎重さが必要な一段の理由になると言い切った。

ロウ氏は米国の関税を巡る情勢について「どこに向かい、どれだけ続くのか正確に言い当てるのは本当に難しい。ただこれは経済成長や消費にとって好ましくない。企業収益にマイナスになるということは、簡単に言える」と述べた。

ウェリントン・マネジメントのマクロストラテジスト、マイケル・メデイロス氏は「(トランプ氏による)関税の脅しは常に存在し、消えることはなさそうだ」と発言。そうした不確実性から、同社はより戦術的、短期的な取引を検討せざるを得なくなる可能性があると付け加えた。

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